
りなっこ
@rinakko
2025年2月12日

石灰工場
トーマス・ベルンハルト,
飯島雄太郎
かつて読んだ
再読。新訳にて10年ぶりに読み返し、あらためて凄まじい読み応えだった。ぐねぐね絡みついてくる呪詛節が堪らない
人里離れた場所にある元石灰工場に引き籠り、障害のある妻と暮らしながら聴力についての論文の執筆をしていたという主人公が、その妻を殺害するにいたった経緯を本人の言説からたどっていく
妄想にとり憑かれ明らかにどうかしているコンラートのことが、ふっといじらしくなったり、身につまされるような気分になったり、空回り続ける理屈と口実に笑ったり。あと、独学の素人の悲哀も感じた。
(ノヴァーリスの『青い花』は酷だったのでは…)


