サカモトシロ "食堂かたつむり" 1900年1月1日

食堂かたつむり
『とても素敵』という言葉が似合う小説。 文章が瑞々しく身が詰まった果実のよう。読んでいて美味しい。 料理の過程はもちろん、食材や自然、食堂自身など周りの環境の描写も素敵だった。 おかんと主人公の間にあった溝を最後の手紙が埋めていく。 おかんは時計の電池をずっと変えていた→主人公の帰りをずっと待っていたんだなぁと思い泣いてしまった。 「本当は、ありがとう、と伝えたかった。 私を産んでくれて、どうもありがとう、と。 けれど実際には声が出なかった。」p.230 おかんの嫁入り前夜のこと。 小川糸さんのエッセイを読むとこの人だからこんな文章が書けるんだと納得がいく。 本当に良い文章表現。
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