
ねむきち
@ss0412
2026年3月18日
朝と夕
ヨン・フォッセ,
伊達朱実
読み終わった
■ずっと前から気になってて、図書館でおすすめ本として置いてあったからヨシ!と手に取って見た。
最初は句点もなく鉤括弧もない文章にびっくりして、慣れるまで時間がかかったけど、だんだん心地よい文章になっていった。
■ヨハネスが生まれる朝。出産にあたってのオーライの色んな感情の混ざった描写(「これから災いがくる」とか、「子どもかこんな暗黒の世界に生まれてくる…」みたいなことを言っている。これはキリスト教的なのかな?)、出産のの瞬間の描写がすごい。
(メモとして下に引用しておく)
■ヨハネスが亡くなった日。夕ってことよね。亡くなる日を描いているのに、それまでのいろんな人生のワンシーンがかわるがわるやってくる。彩度の低い映画を見ているような感覚だった。
亡くなった妻までもやってきた瞬間の「ヨハネスの全身を喜びが貫いた」には、こちらも嬉しくなった。それまでずっと亡くなった妻がいてくれたら…っていう描写が続いていたから。
■出産シーンの引用
(写真から文章をコピペしたので間違いがあるかも)
p10.すぐこの寒い世界に生まれ出ようとしている、母親のマルタが叫び、いきむ中、彼はひとりになろうとしている、マルタから離れ、他の誰とも離れ、ひとりになろうとしている、これからはずっとひとりだ、そしてすべてが終わる時、その時が来たら、彼は溶けて無になり、元いた場所に戻るのだ、無から無へ、それが生というものだ、人間も、動物も、鳥も、魚も、家も、桶もみんな同じだ、存在するすべてのものが等しくそうなのだ、とオーライは思った
p14. ア そうそう サーサー ア サー くぐもった サー 声とやかましい音、圧力 エアエ この冷気、石を アア 擦り、削り、いったり ア きたり、腕が痛い、脚が痛い、どこも痛い、指を固く握り オー しめ、絶え間ない エ せせらぎの音 エアオア ひときわ大きなうめき声 エネアアエンアエア そう ア 遠くから光が差し込み、ここはどこか別の場所 アアもとあったものはもうない、泡がうずまき、音がして、みどり児はどこかへ投げ出され、両手の指を握り、すべてのなつかしいものは、もうここになく、古い緑の藻の海、古い水の家、輝く星がはるかに遠のき、また近づいてきて、すべておぼろな中から冴えざえと立ち現れ、星から来た柔らかなもの、地上からの冷たい線、内ではなく外から来たこの大きくて古い静寂、消えてしまう、消えるのはいつも同じもの、同時に別のもの、するどい叫びが、星のような叫びが、風に名前を与え、意味を与える、この呼吸、この安らかな息と、静かな静かなかな身じろぎ、柔らかく乾いた白い布、海から来たそれほど古くはない衣、暗くる家くもなく、乾いていて、ひどく静かで、手が伸びて、叫び声は不意に止み、んて柔らかい、あの暗くて赤いところみたいに、柔らかくて温くて、こんなにも自くて柔らかくて、唇と唇の温かな裂け目、引き締まって白く、あたり一面の静けさ、いい子、いい子、ああなんていい子、お前はいい子、かわいい子、こんなにかわいい坊やはいない、なんていい子だろう、この世で一番かわいい子、そう、いとしい坊や、そうともいい子だ、とうとう息子を授かったんだ、柔らかく濡れていて、この奇妙なほどの静寂と、オーオーオ白くてオこんなにもオ柔
らかくこんなにもオー 引き締まってよしよしオーオこんなにも白~、熱いほどで、こんなにも静かでオーオ名前はヨハネス、それしかない、

