
かくり
@kakuri000
2026年3月18日
生きづらい明治社会
松沢裕作
読み終わった
図書館本
キーワードは「通俗道徳のわな」。
”わけのわからない世の中でおろおろしている人びとのもとに届けることは、世の中の複雑さ、わけのわからなさに立ち向かうときに、私たちが発することのできる言葉や理屈を豊かにすることにつながるのではないでしょうか。”
p.157-158
”生活保護受給者に対する人びとのまなざしは決して暖かいものとはいえません。たとえば、二〇一二年にさ、ある芸能人の母親がかつて生活保護を受給していたことについて、この芸能人がマスコミでバッシングを受けるという事件が発生しました。この受給は違法なものではなかったのですが、芸能人として成功した息子をもつ母親が生活保護を受けることは不正であると考える人びとが多く存在していたことを示しています。”
”「自分は苦労しているのにラクをしている人がいること」のほうが、気になって仕方がない。私たちが生きているのはそのような社会であるといえそうです。”
p.46-47
”これは支配者にとっては都合のいい思想です。人びとが、自分たちから、自分の直面している困難を他人のせい、支配者のせいにしないで、自分の責任としてかぶってくれる思想だからです。こうした通俗道徳の「わな」に、人びとがはまってしまっていたことを、安丸さんは鋭く指摘したのでした。”
『生きづらい明治社会 不安と競争の時代』p.74
”「通俗道徳のわな」は、どこかで悪い人がつくって仕掛けたわなでもありません。不安な人びとが、不安だからこそ、ついついがんばるという選択を積み重ねた結果、自分たちで、自分達のつくった仕組みにとらわれているのです。”
”先行き不透明名社会のなかで、取り残されるのではないかという不安に駆られてついつい「通俗道徳のわな」にはまってしまう人間でもあります。
それでも、私も、みなさんも、いかに臆病で弱くとも、(略)わなの存在を見抜き、さらに、一人ではなく、協力して、わなを生み出す社会の仕組みそのものを変えてゆく可能性は開かれていると私は信じています。” p.152

