サマージュライ
@SunmerJuly
2026年3月18日
帰れない探偵
柴崎友香
読み終わった
今から十年くらいあとの話。あるようであり得ない書き出しが続く。主人公の所在なさと、翻弄されながらも飄々としている様子が好きだ。その主人公の淡々とした語りで読みながら色々と考えてしまうので、自分の濁流のような意識の流れを感じる。世界と言葉への疑問も。たくさんの旅行客が描写されるが、旅行客ではない存在とはなんなのか?そこで生活をしている人なら旅行客ではないのか?代々住み続けているなら旅行客ではないのか?3ヶ月そこに住むならもう旅行客とは言えないのでは?引っ越して1日目は旅行客なのか?などと、読む手を止めて考えたりしたので、読了までに時間がかかった。たくさんのオマージュもあって楽しい小説だが、何も解決しないし、世界観はディストピア的だし、とにかくずっと帰れない。しかし最後は台風の後のように爽やかな読後感。どうしてだろ?
