帰れない探偵

288件の記録
- いずみがわ@IzuMigawa_itsu2025年10月11日読み終わった電車でこの本を読んでいるとき、ふと目を上げたら、今の時期は金色に稲穂がたなびく田んぼだったであろうところに、ずらっと太陽光パネルが並んでいた。 そんな世界の小説。 とてもしんどかった…。 探偵の故郷の国の描写が出てくるたびにウグッと胸が詰まり、爪先や指先が冷えていくようだった。今このときに読むのは、正直こたえた。 具体的な名詞が出てこず、仮名だらけの物語の中で、終盤ガツンと出てくる実在のバンドの実名。 歌い続けよう、闘い続けよう。
- 阿部義彦@xtc1961ymo2025年10月5日読み終わった柴崎友香さんの新作、ようやく読了。前作「続きと始まり」もよみましたが、それから世界観はかなり飛躍しました、どこの時代かどの国かも具体的には示さない物語世界。読んでいて過去に読んだ川上弘美さんの「大きい鳥にさらわれないよう」と似ているなあ、と思った。あちらはSFと明らかに分かる設定でしたが、こちらはSFという安易なレッテルは付けられない世界。カフカの「城」みたいな不条理一辺倒とも微妙に違う。柴崎友香さんは読む人を選ぶ作家だと思う。時間に関しても意識的に実験を試みている。安部公房の世界をも髣髴とさせる、実験作。私はこの路線を支持します。なんか漫画家のPanpanyaさんの世界とも共通するものを感じた。今月のイチオシになりそうな小説。
- まつこ@matsuko--Books2025年10月1日読み始めた借りてきた図書館で予約していた本。 思いがけず、こんなにも早く 順番がまわってきた。 たまたま、本屋さんで気になった本で 柴崎友香さんの著作も初めて。 このタイミングで手元にあるのは、 想定外だけど、これも何かの縁。
- ゆずこしょう@exloyrog842025年9月29日読み終わった記憶と、ルーツと、音楽と、尊厳の話だった。植民地主義の話でもあった。友達が誰にも言えない話を打ち明けてくれたときの、むず痒い感覚を思い出しながら読んだ。打ち明けてくれたことはとても嬉しいんだけど、あまり適切な反応ができなくて、せっかく信用して話してくれたのにこれでよかったんか?みたいなむず痒さ…。いやまあ私が人生をサボらず経験値を積めばいい話なんですが。10年くらい経ったら読み直したい。白馬旅行で友達のルーツと現在と未来をビシバシ感じた直後に読めたのも体験として良かったな。 「だんだんと忘れるというか、自分の中から失われていくのは、学校で習った〝正しい〟ほうの言葉なんだ。生まれて最初に聞いた言葉、話した言葉、友人たちと毎日どうでもいいようなことをしゃべり続けていた言葉は、わたしの中から消えない。長い間会っていない友人たちの声が、何十年も前に交わした言葉が、今もときどき聞こえてくる」 「先輩の言葉もわたしの言葉も、どこかで聞いたようなことをつなぎ合わせてるだけにも思えた。それでも、話し続けることが必要だった。」
- もぐもぐ羊@sleep_sheep2025年9月26日読み終わった架空の国や街で人々の名前は仮名で物語は構成されている。 あの国かな?とか何となく想像できる。 主人公の探偵は出身国を出てからその国が国としての体制を失ってしまい帰る国のない状態だけど、世界的な探偵組織を修了しているので働こうと思えばどこでも働ける。 それはちょっとうらやましいけど故郷に帰れなくなるのはさみしい。 物語は探偵の仕事そのものというよりは、彼女の探偵としての生き様を覗き見しているような感じなので、依頼がその後どうなったのかわからずじまいのものもある(他の探偵に引き継がれる等はしているはずだけど) 今、世界で起きているようなことがずっと続いていくとこの小説のような世の中になるのではないかと少し恐ろしくもある。 10年後にもう一度読みたい。 この先の近い未来のどこかでまた読みたくなる気がする。
- ルーカス@m_rukas_542025年9月23日読み終わったニュアンス小説。 なんだか曖昧で、分かりそうだけど、やっぱり分からなかったな。 今実際に世界で起こってることが書かれてるかと思えば、未来のことを示唆してる?と感じる描写もあれば、過去にあった話かもしれない。 時間も時空もゆらゆらしてるような浮遊感のある本でした。
- ひつじ雲@lee552025年9月16日買った読み終わったずっと一枚の膜を通して読んでいるような気がしていた。そして、ある部分を読んだとき、涙がこぼれた。 自分の気持ちでも、わからないこともあると思う。
- なかやま@asheepinthewell2025年9月15日読み終わった借りてきた柴崎さんらしい時間や記憶のレイヤーと、場所というものの曖昧さを考えさせられながら、主人公の探偵の後ろにずっとついて歩いているような感覚でした。探偵が主人公でも事件は、あるような、ないような。ミステリーも、あるような、ないような。
- t20vision@t20vision2025年9月13日読み終わった私はどこから来て、どこに行くのか? かつてそこに居て、今はどこに居るのか? 帰れる場所を失い、流されるまま住処と調査先を転々とする不思議な話。 時系列も反復して飛んでいき、今立っている地すら物語のように感じてくる。 「あらゆることは今起こる」から、柴崎由香作品に興味を持って初読。
- しましま@simasima_30k2025年9月10日読み終わった読書会で意見を交わすとしたらこんな作品なのかなーっておもう。読みにくいっちゃ読みにくいんだけど読み手に色々な想像をさせてくれる本。時間をおいてもう一度読みたい
- ようよう@3973youyou2025年9月7日読み終わった@ 自宅国家、街、移住、故郷。一時的な出会ていがその場であり、そこで感じた事、はっきりとは知ろうとしなかった事、探偵の心象が描かれる非ミステリー。割と最近も森博嗣さんの作品にも近い。
- 夏@apricity2025年9月3日読み終わった読んだことのない不思議な湿度のお話だった。全然つかめなくてぬるぬる〜っと読んでしまったけどたぶんそれでよかったっぽい。夜眠る前に読み進めてたけど睡眠導入に最適だった。「空の上の宇宙」と「歌い続けよう」が好きだった!
- shingo@shingo2025年8月23日買った@ 紀伊國屋書店 新宿本店先日読んだ阿久津隆さんの『読書の日記』に柴崎友香さんの名が出てきて、今日店頭で見つけて「あぁ、あの方の作品か」となって購入。
- mimosa@mimosa092025年8月17日読み終わった借りてきた今から十年くらいあとの話…この一文でたちまち不思議な世界に引き込まれる。不穏な空気漂う話ばかりだけど、旅心が刺激されてしまうな…そういえば双子のような山とか、オードリー、デイルとか出てきたけど、デヴィッド・リンチの「ツインピークス」へのオマージュなのだろうか。
- どうどう@toutoutoudo2025年8月15日読み終わった厚めの紙が使われていたのか2ページ捲ったと思って一ページ減らそうと思ったら1ページしか捲ってなくてあれ?となったのが五回ぐらいあった。 はじめの街のエピソードを読んでたらポールオースターのガラスの街を思い出した。現実的な部分と虚構的な部分がよい塩梅で私が小説に求めているもので読んでいて苦じゃなかった。場所の固有名詞が出てこないこと、あと名前も(仮名)となっているのもよい。明確な場所と人名はいらない、何が起きたのかが重要。帰れないというのは物理ではなく時間のことなのかなと思ったりした。お盆休みで人生のこれまでとこれからを考えてしまっていたのでラストの手前ぐらいのシーンが本当によかった。故郷へ帰りたいか帰りたくないかの問題提起を本質を語らずに提示して主人公の答えがでてくる。作者の私小説的な読み方もできるのかな。この方の本で前にも帰れない故郷のエピソードがあった気がした。 今から10年あとの話という枕詞も時系列の奥行きをだしている感じがあった。今の私から未来のことを語っている…、あらゆることは今起きる..!?
- ひいらぎ櫂@shaki31222025年8月14日読み終わった図書館柴崎由香作品は初めて呼んだので、 初めは「ほんわか人情探偵もの?」と思ったが大間違い。 段々と不穏さが増して、読む手が止まらなくなる。 明確にドンパチ人死にがあるわけでもないけど、ハードボイルド感がある。 国名は明記されないので、あそこかなと想像するのも楽しい。 ちょこちょこ今の時勢にリンクする主人公の語りでグッと作品の世界に没入できる。 図書館で最後の一部を読んで読了。 読書室開いてなかった。
- 涼元風花@suzu_fuuka2025年8月12日読み終わった読み終わってしまった…すごく良くて、読み終わるのが惜しかった! 絶妙なノスタルジーと思考の回遊とちょっとドキドキと。今年読んだ本ベスト5に入る✨
- it_shine@it_shine2025年8月10日読み終わった面白かった。出てくる音楽に導かれて、探偵の仕事を追っていくと、どこかに連れていかれる。はっきりとした地名や国名は明示されないけれど、現実とリンクしているようなそうでもないような感触。歴史に関しても、土地の特徴に関しても、暖簾に腕押しというか、考えても仕方ない、ただ読め、感じろ、という感触。そしてこの物語は何かを象徴しているような、そんな感触もある。不穏感もあるシーンもあるけれど、それも音楽に助けられたりする。小説としての面白さを読んだ。
- いあに@IANI832025年8月2日読み終わった何てこった、よかった!話がずっと不穏だったのは、私の今がこの話から見てどの時点なのか分からなかったからだ。話の中で日本がヤバいことになっていて、“これは、今から十年くらいあとの話。”という挿入のおかげで、私がいる世界とこの話は実は地続きなのでは?もしかして読んでいる私の今から十年後なのでは?と揺さぶりをかけてくる。SFぽさはディストピアを描いているからだ(とは言え現代に限りなく近い)。それとは別に、話の中に風景があり、空気や風を感じられ、音楽が鳴っていたのもよかった。
- Ryu@dododokado2025年7月28日読んでる「別の大陸から渡ってくる鳥のことを、途方もない距離を飛び続けるあの小さな生き物のことを考えると、気が狂いそうになるんだ」 それからまたしばらく沈黙が続いた。 時間が時間の速度で過ぎた。 (p.130)
- ちはる@chiharium2025年7月27日読み終わった読み終えて今、ひとり旅に出たくてたまらない。 国内でも国外でもいいんだけど、たとえばひとりで知らない街にいて、丸一日(あるいは半日でも、数時間でも)これといって予定がない、みたいな状態になったとき。 たとえばどこか南の国の都市を歩いていたらスコールがやってきて、とりあえずショッピングモールだかカフェだかに避難したんだけど、さてこれから雨が上がるまでどうやって過ごそうか…とぼんやり考えているとき。 そんな気分になる小説だった。
- maaaaakiiiii@maki11062025年7月26日読み終わった感じたことのないおもしろさだった。 不思議で新しくて、なつかしい。行きて帰りし物語の新機軸ですね。 読んだのが選挙期間から投開票の日までだったというのも、偶然ながら効いた。 旅行が好きだったころ、旅は空港だなあ、と考えていたのも思い出した
- mizuiro@transparency232025年7月26日読み終わった今年の一冊に入る面白い本。一回読んだだけでは、まだまだ見つけられていない魅力があると思う。あらゆることは今起こるを読んだのもあって、物語の中の時間が輻輳的というか流動的というか、そういうものをより興味深く感じた。随所随所に現実世界を想起させるものはあるものの、どこかはっきりとは分からない。小説家ってすごい、と改めて思った。
- riu@riufish2025年7月24日読み始めた読んでる@ 本の読める店fuzkue初台ふくふく フヅクエで読み始める 歩き続ける世界 去る時間 訪れる時間 町の記憶 誰の記憶 きこえる音 ページをめくれば流れてゆく わたしは日々 何でかな 何にしがみついているんだろ 思いながら読んでる
- riho@archives2025年7月23日読み終わった探偵という枠組みでこんな物語を紡ぐ方法があるなんて これまで柴崎さんが取り組んできた地図や記憶というトピックが更新されつつ多和田葉子を思い出す世界への広がりがある
- 鳥澤光@hikari4132025年7月20日読み終わった読む本読んだ本2025@ 三省堂書店 有楽町店「小説が世界と繋がっている」と感じることはこれまでもあったけど、この作品のように「世界が小説に流れこんでくる」と感じたことはあったかな? 多和田葉子の、特に『地球にちりばめられて』三部作を思いながら読んでいたけど、途中に挟んだ赤染晶子『乙女の密告』のなかの『アンネ・フランクの日記』にも響き合う、国や地域や名前や居る場所の話。 トリュフォーやデイヴィッド・リンチをはじめ映画やドラマで描かれた場面へのオマージュがちりばめられていそうな、ふかふかのイメージのクッションに寝そべるような心地よい楽しさがあって、世界の今と未来があって、なんとすごいものを読んでしまったんだろう……!! 《世界の表面がぺりぺりとめくれて、まったくおなじなのに、すべてが光り輝いた。眩しくて、耳の奥、頭蓋骨の中が、痛かった。/これはなに?》P46
- かわうそさん@kawausosan2025年7月14日読んでる「雨に歌えば」探偵ものの本領発揮?で、連続殺人事件の調査。 「わたしが育った国は(略)昔から住んでいたのに自分たちと違うと見なした人や様々なルーツを持つ人、いろんな理由で移り住んで来た人たちのことは、権利があるとは考えない、というよりも、いるのに、いないことにしてしまってるんじゃないかなって」
- かわうそさん@kawausosan2025年7月11日読んでる「知らない街のように」ここは日本ではないのかもしれない。空港から飛び立とうとしてる、十年後の話。「見えないものは、忘れてしまうでしょう?」
- Y_KATSUKI@k2_44162025年7月8日読み終わった背後に不穏な世界の気配を漂わせる探偵紀行。 〈あるときは貧しい立場に置かれている人々にシンパシーを寄せて別の国を批判し、あるときはついさっき批判した国々の価値観を進んだ目指すべきものだとしてこの国の制度や文化を問題視する理由に使う〉
- Marua@imasa_arumin2025年7月3日読み進めるうちに、舞台はどこかと考えるのはもはやどうでもよくなっていった。任務によって変わるし、「これはあの国だろうか」と推測しても、国によっては体制自体が変わっているらしいので、どこかという問いはあまり意味をなさない。 不思議な小説だった。主人公の言っていることがよくわかると思う瞬間が何度もありつつ、よくわからなくなったり、揺さぶられながら読み進める感じだ。どこか懐かしい思いが蘇ったりして、何がそう作用しているのか掴めないまま読み終わった。音楽?昔の友人との思い出?少し寝かせてから再読したい。
- 龍氏@dragon-ryu2025年7月2日読み終わった柴崎友香の小説を久々に読んだが、おもしろかった。何かを探す、求める、歩く、向かう。ミステリーやサスペンスとは違うが、これはまぎれもないハードボイルド小説かと。
- Marua@imasa_arumin2025年6月28日読んでる記憶の曖昧さ、時空の歪み、音楽に持っていかれる世界、短篇でもこれだけ詰め込めるのだなあ。 それにしても、どこの国が舞台なのだろう。なんとなく神戸を思い浮かべたが、ほぼ知らない土地だ。フェリーに乗るのに一度寄ったことがある。でも「地震がない国」だから、日本ではない。依頼人は全員仮名で登場するが、どうやら数字のつく名前が続くようだ。
- Marua@imasa_arumin2025年6月26日購入@ジュンク堂 どっしりした装丁がかっこいい。「帰れない探偵 急な坂の街で」、初出は『MONKEY vol.20』だったというのは、柴田元幸が『MONKEY』最新号のあとがきに書いていた。 本書はまだ一篇しか読んでないけど、柴崎友香ほんと好きだわ。