
プールに降る雨
@amewayamanai
2026年3月18日
ハルムスの世界
ダニイル・ハルムス,
増本浩子
読み終わった
一編が数ページ程度の不条理短編集。ユーモアと死と暴力の匂いをまとわせる抑制の利いた文体。
発表する機会もなく「机の引き出しのために」執筆されたこれらの作品が、表現活動が制限されたソ連スターリン政権下でしか生まれなかったとすれば、自由が保障された世界にハルムスが生きていたらどのような小説が書かれたのかと想像せざるを得ない。
平易で読みやすくも読者を欺きつづけるナンセンスな文章が、われわれが生きる現実の不条理そのものを反映させていると考えれば難解と感じる必要はない。それはそもそも人間の理解を受け付けるものではないのだから。

