
おとわ
@mofbook
2026年3月19日
あの子のかわり
紗倉まな
読み終わった
@ 自宅
私は産まない、私は結婚しない、このままお互い一人だったらさ……そんなやりとりを友人としたことがあったよな、と思い返す。そんな発言のあまりの脆さ。絶対なんてないと片隅で思っていても信じてしまう。「同じところで」一緒に幸せになりたかった。
30前後で結婚・出産を機に女性はステージが分かれてしまい、今まで同じところで笑い合っていたはずの友人との間に突然大きな壁ができたように感じる。絶対的にわかり合えないという絶望。一言一句が、相手を逆撫でしてしまうのではと気になって、いよいよ何を話したらいいかもわからなくなり、最終的には疎遠になってしまう。
主人公は躊躇う感情もあれど抑えきれなくなり、自分の気持ちを親友にぶつける。あまりにも強い言葉だし私はそこまで思ったことはさすがにないか、と思いながらもここまで腹に籠った物を噴出できたふたりはきっと大丈夫な気がする。
ステージが同じでも事情はひとりひとり異なるし、結局他者とすべてわかり合うことなどできない、そう思って飲みこむことはできる。けれど、「出産」に関しては産まないし産めないし産みたくないし、とどんなに思っていても揺らぐ瞬間がたびたびあって苦しくなること、まして親友と呼べる間柄の友人がそちらに行ってしまうさみしさ、つらさはあまりにもわかる。
同じ立場である主人公に気持ちを引っ張られがちだけれど、産まないと思っていたはずだったのに思いがけず産むことになる親友側の気持ちも考えることができた。当事者だと冷静に想像することができなくなりがちな相手の気持ちを客観視できて良かった。
