森々 "黄金仮面の王" 2026年3月19日

森々
森々
@mori_hkz
2026年3月19日
黄金仮面の王
黄金仮面の王
マルセル・シュオッブ,
垂野創一郎,
多田智満子,
大濱甫,
西崎憲
すごく好きだった。 短編集だから内容は薄いのでは?と思っていたが、世界観やメッセージ性が濃密で飽きない。 西洋の神話には疎くダンテについてもそこまで知らないのでその辺りは読むのが難しかったが読めないということはなかった。 風景や物の詳細や風景の美しさや恐ろしさを楽しむのも良いと思う。 最初の話「地上の大火」は終末世界の話だが出始めの文が 「これまで世界を導いてきた信仰が、最後の力を振り絞ったが、ついに立て直すことができなかった。新たな預言者が登場しては、無為に消えていった。人の意思の謎は無理矢理解き明かされたが、それも無意味だった。もうそれは重要ではなかったのだ。意思と言うものが世界からなくなりかけていたのだから。あらゆる生き物の活力が今尽きようとしていた。未来の宗教を作るための全身全霊の努力も、身を結ぶ事はなく、人は自己本位の感覚のうちに安穏として埋没した。情動の紛失は、いかなるものでも認められた。」 で、これ今の世界にも当てはまるのでは?と思い震えた。 好きな話は「地上の大火」「黄金仮面の王」「ペスト」「顔無し」「木の星」「列車〇八一」「贋顔団」「運命を負った娘」 「顔無し」は江戸川乱歩の「芋虫」にも共通するような感じがした。 幻想文学とあるからファンタジーかと思っていたが、ファンタジーよりは現実よりで、現実よりかは不思議で知らない世界の話だった。
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