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森々
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@mori_hkz
精神の安定を得るため毎月3冊読了を目標にしています。好きなジャンルはヒューマンドラマ。吉本ばなな、小川洋子、蝉谷めぐ実、多崎礼、ハン・ガン(敬称略)が好きです。新書や実用書もたまに読みます。感想は身から出たまま。
  • 2025年9月29日
    マイクロスパイ・アンサンブル
    なるほどマイクロなスパイのアンサンブルだった。 前作「アイネクライネナハトムジーク」がすごく良かったので読んだ。こちらは少しアプローチの仕方が違うような。どちらかというと「ペッパーズゴースト」な感じ(読んだ伊坂作品が少ないためそう感じるのかも)。 ラスト(番外編?)の「猪苗代湖でまた会う話」が読みたくて読んでたんだよ〜と思うくらいラストに満足。勿論道中も良くて、人生うまく行かないことが多くても生きていたら死んだことにならない、偶然の産物が誰かを、自分を救うかもしれない。そんなメッセージが込められている。 心が不安でザワザワすることがなく、続きが気になっても安心して読み進められる。
  • 2025年9月26日
    犬のかたちをしているもの (集英社文庫)
    女性の出産、子育て、恋愛。男女の性愛についてするかしないか、どの道を選ぶかすごく考えさせられる。 自分としては性愛はなくても良いんじゃないかと思っているから主人公の性愛がなくても愛したい姿勢に共感できる。が、それも一筋縄ではいかなくて、みんながみんな性愛なしでも良い人ではないし、世の中の「普通」としてないのはあり得ないみたいな、ぐるぐる思考が回って落ち着かない。 結婚や恋愛、女性のライフステージに悩んでいる人が読んだらものすごく共感するか嫌すぎて読めないかのどちらかのような本だと思った。
  • 2025年9月25日
    レ・ミゼラブル (上)
    レ・ミゼラブル (上)
    公演までには読み終わらなかったけれど、公演では省かれた情報の部分がすごくよくわかった。 ジャンヴァルジャン、コゼット、マリウスの最悪な状況から救いを得て最高の未来への這い上がる。エポニーヌ、ファンテーヌの悲しみの中の喪失。そしてジャベールの信じてきたものを打ち砕かれる挫折。綺麗な歌で語られる「惨め」な物語。 「運に見放され、不名誉な状態に陥った時にさす、簡潔明瞭な究極の言葉がある。"レ・ミゼラブル"つまり"あぁ無情"という言葉だ。」
  • 2025年9月23日
    High and dry(はつ恋)
    High and dry(はつ恋)
    14歳の主人公の初恋。 この作品の好きなところは、20代の男性と14歳の少女の恋愛、というより、人と人が心の深い部分で惹かれあう過程であるから性愛を含まず清々しく道徳的にハラハラせずに読めるところ。 少女の初恋の真新しさと葛藤や大人の関係の難しさ、親との関係の変化が瑞々しく、輝いて描かれている。 14歳にしては達観しすぎで周りが見えすぎているよな〜とは思った。自分とは大違いだ笑。 途中ででくる半分植物室のカフェは同著者の「ジュージュー」出でくるカフェかな? この本で一番好きなシーンが少女と男性が日帰りで男性の母親の家へ行くくだりで、男性が実は悪いやつだったらどうする?との少女の問いかけに対し、少女の母親が「ぶっ殺す」と言ったところ。 よしもとばなな作品は優しくて温かかくてキラキラ輝いているけど、攻撃的なほど生命力に富んでいて綺麗で終わらないから大好き。
  • 2025年9月22日
    この世の喜びよ (講談社文庫)
    少し読みにくく内容は難しかったけど、詩的な文章で美しくて好きだった。 一人称が「あなた」で始まる物語で、最後の最後の「あなた」は一人称にも取れるし少女に向けて言っているようにも俯瞰で見ている読者に向けて著者が言っているようにも取れるて一番好きな部分。 「マイホーム」「キャンプ」は伝えたいことはよくわからなかったけど、空気感は好きで、「マイホーム」はなんか嫌な気持ちになった(夫にイラついた)。 「キャンプ」を読んで思ったのが、子どもってお互いの名前や素性をよく知らなくてもいつのまにか仲良くなってて不思議だよな〜だった。
  • 2025年8月25日
    ジュージュー
    ジュージュー
    この本は「人生とは、何か特別なことをなさなくて良い、ただ死ぬまでありふれた、でも奇跡のように輝いている日々を送らなければならない」と読んで感じた。 登場人物みな個性的で、でも綺麗に共鳴している。ちょっと歪だけど理想的な関係性で羨ましくもある。 ハンバーグが食べたくなる優しい物語。
  • 2025年8月23日
    向日葵の咲かない夏(新潮文庫)
    夏が終わる前に読もうと思い、読了。 小説という媒体をこれでもかと使った仕掛け、サスペンスとミステリ、心霊というスピリチュアルな要素が全部盛りで楽しい読書だった。スピリチュアルは面食らうどころか、それが仕掛けとなって真実が明るみに出る時にはしっかり驚けるから良かった。 そして人間の、特に子どもの危うさが感じられた。お爺さんもそうだし、終盤の真相の場面では「そんなこと」が子どもにとっては大きなことなんだよなぁ……と。 確かにラストは後味が悪いけれど個人的には好きな終わり方だった。お母さんの話とかS君の嘘とか岩村先生とか、読んでいる途中の方が辛いな〜と思った。
  • 2025年8月21日
    涙の箱
    涙の箱
    やっぱり好きだな〜。 ハンガンの作品の大体の人物って絶望していたり悪い状況にあったりしているのにみんな諦めていなくて、生に貪欲というか、未来やより良い選択を選ぼうとしているところが強くて好きだ。短いながらそこがかなり感じられる物語だった。 自分は泣かなくても影は泣いている、という部分が好き。 心が泣いているということなのかな?自分が生活をしていて、影が泣いているかもしれないと気をつけることで、いろんなSOSも感じ取れるようになりそうだ。
  • 2025年8月19日
    深淵のテレパス
    思っていたより怖くなかった。 というのもホラーよりミステリ要素が強かったから。 メインキャラクターたちが「心霊が存在するか証明しよう」みたいなスタンスで進んでいくので超常現象!怯む!怖い!とはならず、それはどこからくるのか、どうしたら良いのか、を明示してくれるからあまり怖くない。心霊パートはありつつ、どうしたら解決できるかの解決パートがメインなのもその要因。 大元の原因についてメインキャラクターたちの推測で終わってしまっているから自分には若干の消化不良ではあるけど進み方も良くてどんどん読み進められる。
  • 2025年8月17日
    ババヤガの夜
    うわーすごいな。 男尊女卑、決めつけ思い込み、女らしく・自分らしくなど社会問題盛り盛りでそれが全部仕掛けになってるのがめちゃくちゃ面白い。 中盤までは嫌な場所で生きながらお嬢さんと仲良くなっていってるなーくらいに軽く読んでいたけどそれ以降の進み具合が半端な量じゃない。 主人公の語り口が淡々としているから暴力と蔑みが蔓延る最悪な環境でもあまり気持ち悪くならず読めた。200ページあるなしで、すごく没頭して読んであっという間に読み終えた。 柳が最後になって好感度上げてくるから困るな……生きて幸せにカタギになってほしい……。
  • 2025年8月15日
    をんごく (角川書店単行本)
    めちゃくちゃ面白くて一気読み。 喋りは昔の関西弁で少し読みにくさはあるけどそれが味になっているし、展開がどんどん進むから飽きない。心霊系の怖さもあり、でも結局人間が大元の原因で怖いよね、と思ったり。 エリマキと主人公壮一郎のコンビがすごく良い。ラストは本当に良かった。 「うしろに……」の部分が何か判明した時はかなり怖かった。 心霊系が読みたいけどあまり怖いのはちょっと……という人にもおすすめできると思う。
  • 2025年8月15日
    妖花魔草物語
    妖花魔草物語
    「妖鳥魔獣物語」の姉妹作。 空木が共通で出てきて驚いた。 やっぱり共通するのは欲深い人間が破滅する、最も恐ろしいのは妖しい獣ではなく、人間であるということ。 児童書は読みやすくわかりやすく、読了後の満足感が高くて良い。
  • 2025年8月15日
    妖鳥魔獣物語
    妖鳥魔獣物語
    ダークファンタジーな児童書。 「ささやき鳥」と「デイロン家の犬」が好き。 欲深い人間がどんどん破滅に追い込まれる。恐ろしいのは妖鳥でも魔獣でもなく人。 挿絵も文章も美しく妖しい雰囲気を楽しめる。
  • 2025年8月13日
    死小説
    死小説
    紙の本が絶版になったと聞いて中古で探したらあった。 前評判や表紙からすごくスプラッタ的なグロテスクと内容はイヤミスだとおもっていたけど、想像より淡々として読みやすく心霊要素もあって面白かった。 ホラー要素を目当てにすると物足りなく感じると思う。ただ人間が人生における嫌な場面からダメな方へ転がり落ちていく様をみるならこの本は向いてると思う。 老いや死、見栄や小さな裏切りの数々、社会生活のままならなさなど人間の嫌な部分はかなりあるのでそこはグロテスクな部分と言える。 ただ心霊要素の関連がよくわからない話も何話かあって結局あれはなんなんだ?と疑問が残る。
  • 2025年8月10日
    アーモンド
    アーモンド
    感情の起伏がない主人公と激しい感情を持つゴニとの関わる中で変わっていく二人の内面が淡々と描かれていて読みやすく心が温まる。 主人公が感情を理解することで良くも悪くもこの先色々あるだろうけど、ゴニについては変われてよかったと思う。他人からの愛を知って行動できる、行動を変えられることはとてもすごいことで尊ぶべき行いだと思った。
  • 2025年8月6日
    文化の脱走兵
    文化の脱走兵
    ウクライナとロシアの戦争、原子力発電所問題について目にすることは多けれど当事者意識を持って考えたことはなかったと反省した。そこに生きる人はやりたくて戦争なんてやってないんだよなぁ……。クルミをみんなで食べて魚釣りをして平和に暮らしたいもの。 詩は楽しみ方がわからなくてあまり興味がなかったけど、この本を読んで楽しみ方がわかった気がする。ロシア文学は触れたことがないから興味が出た。
  • 2025年8月5日
    ハゴロモ
    ハゴロモ
    「意図しない優しさは、さりげない言葉の数々は、羽衣なのだと私は思った」 これがこの本を一言で言い表していると思う。 優しく、弱っていたり傷ついたりした心を癒す物語。著者も言うようにおとぎ話的で出来すぎてるとは思うけど、だからといって冷めたり笑ったりできない。傷口が時間をかけて治るように身に染み込む優しさと美しさがある。 大いなる流れに身を任せるのは受け身でも人任せでもない、因縁であったり、時間が解決するものであったりする。
  • 2025年7月31日
    リストランテ・ヴァンピーリ
    倫理観の欠いた暗くて埃臭い血に塗れた世界から語られる人間の道徳や未来への希望、大人の願いが安っぽさを感じさせなくてとても眩しく思える良い作品だと思う。 キャラクターもみんな良くて読んでいて飽きたりイラついたりすることがない。
  • 2025年7月31日
    NO.6〔ナンバーシックス〕#1
    手に汗握る展開と軽妙な会話の差が面白くて物語の進むテンポも良い。 泥臭く生きる、その生命力が眩しい。 学生時代におすすめされてようやく読んだけどもう少し早く読んでいればハマり方も変わったのかな〜と。
  • 2025年7月29日
    文豪は鬼子と綴る
    文豪は鬼子と綴る
    会話のテンポが良くてサクサク読める。ちゃんと大正の博多を感じた。 ホラーというより妖怪やファンタジー寄りな気がする。
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