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森々
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@mori_hkz
毎月3冊読了を目標にしています。 好きなジャンルはヒューマンドラマ。 よしもとばなな、小川洋子、蝉谷めぐ実、多崎礼、ハン・ガン、長野まゆみ(敬称略)が好きです。 新書や実用書もたまに読みます。脳内整理のための感想です。
  • 2025年11月20日
    左近の桜
    左近の桜
    有栖川有栖編「温泉乃湯」に冒頭の一話だけ載っていて、それが大変面白かったから小説を揃えた。そうしたらものの見事にどハマり。 全体的な話としては男(魂は女)が男を引き寄せるギリギリ官能にはならない耽美物語で、妖や幽霊が出てくる。何が現で何が夢かわからなくなる感覚は面白いし、無自覚に男を魅了してしまう主人公もキャラクターとして良い。 あと柾は一体なんだ。好きになってしまうだろうが。
  • 2025年11月17日
    夜市
    夜市
    ホラーよりファンタジーの印象。 あの世とこの世の境目が薄くて非現実的だけど現実のすぐ真横にあるような真逆なのにそれが成立している不思議な感覚になり、短いのにどっぷりと世界に没入できる。 表題作もさることながら、「風の古道」のしっとりとした雰囲気、木陰にうっすら日差しがさしたような文章も良い。
  • 2025年11月16日
    遠慮深いうたた寝 (河出文庫)
    やっぱり文章、考え方や感覚が好きだなーと思える一冊。作品の時よりも小川洋子さん自身が身近にある。 「ブラフマンの埋葬」「琥珀のまたたき」「ことり」「小箱」について作品の誕生した経緯(周辺環境)が書かれており、ファンとしてはとても興奮した。特に「ことり」が好きなので何回か話題に上がっていて嬉しい。そして、数学・野球・ラジオと来たら「博士の愛した数式」。「小箱」は読んだ時にはよくわからなかったけれどガラスの箱の供養の話を読んでから造詣が深まった。 田辺聖子、森茉莉、小池真理子などにも興味が出た。調べて読もうと思う。 エッセイの中のP258「恋愛は読書によく似ている」、P262〜の「小説における言葉の美しさとはつまり、一文一文、一語一語に対する慎重さに尽きる」という話は考え方が自分にとっては新しいもので勉強になり、それについて述べられている文には納得がいく。「小説における〜」の部分は文章を書く際に役に立つのではないか。 信号待ちでも登校時でも、感じ方と表現の仕方が自分にはあっていて、小川さんの作品はやっぱり「好きだ」しか出てこない。
  • 2025年11月15日
    くちづけ
    くちづけ
    初めての官能小説。 いまいち楽しみ方がわからないけど、頭を使わず読めるのは良いと思った。 「女性専用車両」はファンタジーだな〜と思って読んだ。「ナースコール」「くちづけ」はラストに驚愕。物語として面白いのは「くちづけ」で、仕掛けとして面白かったのは「ナースコール」。
  • 2025年11月13日
    小説乃湯 お風呂小説アンソロジー
    江戸時代から現在に至るまでのお風呂が描かれた小説のアンソロジー。 特に好きだったのが 「ああ世は夢かサウナの汗か」辻真先 「秘湯中の秘湯」清水義範 「花も嵐も春のうち」長野まゆみ の3つ。 長野まゆみと辻真先はすっごく好きでこの人の本を別に買おうと思ったくらいハマった。 好みとは別に印象深いのは 「美少女」太宰治 「エロチック街道」筒井康隆 表現が美しい。性的なことを言っているのに嫌な感じがしない。そういう加減が上手い。 他にも温泉、お風呂に関する作品がたくさんあるのでお気に入りの作品を見つけてお風呂時間を楽しむとよし。 個人的に合わない作品を読むのが苦痛でアンソロジーは避けてきたけど新しい作家の試し読みと思えばすごくお得だと思う。
  • 2025年11月11日
    「好き」を言語化する技術
    最初は「ほとんど実践しているし、目新しい情報はないかな」と思っていたけど第5章あたりが特に勉強になった。 ①何を伝えたいか、どこに話を誘導したいか明確にする。 ②自分語りをする ここが今の自分には響いた。 よくレポートは結論から書け!と言われるけれど、結論がないと何を書くかが不明瞭になり書けないからなのだとわかった(当たり前だが)。結論から細分化して何がどう自分には良い/悪いのか考える、そのプロセスから中の文章が生まれる。 そして自分語りの話は、今まで自分語りは不要と思ってプレゼンやレポートを書いてきたからその方法は良いんだ!と驚いた。 今からブログを書く、もっと文章を書きたいだとか、言語化し始める人には良い本だと思う。例えもわかりやすい。
  • 2025年11月8日
    超訳 ブッダの言葉 エッセンシャル版 (ディスカヴァークラシック文庫シリーズ)
    何年か前に読んだのを定期的に読み直そうと思い再読、そして再読の必要性を感じた。というのも全く実践できていないことがわかったからだ。 元々怒りや自分をよく見せたいという感情をどうにかしたくてこういった本を読み始めたのだが、なかなかマインドを変えるのは難しい。変えようという意識も足りない。今後も読み返しては戒めとし、怒りや欲望を手放せるように精進したい。 小池龍之介さんの本は現代風にアレンジされて読みやすいのでおすすめ。
  • 2025年11月4日
    箱の中
    箱の中
    人が性別を超えて愛し合う過程が描かれていて感動する……のだが、私は「檻の外」の妻に憤慨し、感動よりも怒りが優った読了後である。
  • 2025年11月2日
    言語化するための小説思考
    自分は小説を書く人より読む人の目線で読んだんだけれど、とても面白かった。 自分が「この小説面白い!」と思う理由が書かれていて納得した。もちろん文章を書く時にも使える考え方も多く勉強になる。 特に納得した(勉強になった)のが ・小説法の違い ・読みやすい本とは登場人物と読者の情報量の差を最小限にすること ・「書いてしまったこと」から「新しい視点」は見つかる(新しい情報は見つけるのが難しい) ・感想を一から考えるのは難しいので、誰かに誘導してほしいという欲求がある(仮説) ・小説の会話文は情報だけ付け加えた「会話の劣化版」ではいけないし、景色や内面描写も「景色の劣化版」「心の劣化版」になってはいけない。その表現は何のために、誰のために存在するか考えなければいけない。 というところ。 実用書としても面白いだろうけど、エッセイと思って読んでも面白いと思う(個人的にはエッセイよりでは?と思っている)
  • 2025年11月1日
    怖くて美しい能の女たち
    知識欲が満たされる。 光源氏と葵上の関係や、葵上の最後にそういう意味が持たされているのかなどたくさん知ることができてよかった。 その時代の風習など知ってから観るのでは面白さも倍になるだろう。 姨捨は悲しい……。
  • 2025年10月31日
    人魚の嘆き・魔術師 (中公文庫)
    幻想的で耽美、しかしリアリティのある不思議な作品。 魔術師では想像力が追いつかず情景を思い描くことが難しかったけど挿絵があったので補完できた。 短くも美しく妖しい世界に耽溺できる。
  • 2025年10月28日
    さよならジャバウォック
    重苦しくて辛い物語かと思っていたら伊坂幸太郎節で安心。とても読みやすい。 最後の方で明かされる事実にびっくりしながら良い読了感だった。 *好きなところ* 「真面目な人間はいいよ。確かに俺は好きだ。ただ、真面目すぎる人間は、他人を巻き込もうとする。そうなると怖い」 「真面目に、誠実にやろうとするのはいいけれど、それを他人にまで求めはじめると危ないってことだよ。正しいことをそこまで正しいと信じるのは」 「自信なんてない。俺が何をやろうと世の中に大した影響はない。成功しようが、失敗しようが。そう思っているからだよ。(略)俺に文句を言ってくる人間は、俺の人生を助けてくれない人間ばっかりなんだ。むしろ寂しいものだよ」 どれだけ非難されても自分が棺桶にはいるまで非難してる人はついてきてくれないし、高齢者施設までそばにいてくれない。という話。
  • 2025年10月16日
    白鷺立つ
    白鷺立つ
    色々最後を想像しながら読んでいたんだけどまさかの……号泣 関係性も唯一無二で、いがみあって罵り合って、その中に愛ではないもののひとかけらの心があって、なんでそれがわかるのが今なんだよ〜泣となった 歴史小説であり仏教の専門用語も多用されるけど難しくなくすらすら読める 勝手な思い込みでお坊さんって穏やかで怒りを感じないと思っていたら、めちゃくちゃ殴るし蹴るし掴みかかる笑
  • 2025年10月11日
    聖獣王のマント (メディアワークス文庫)
    異世界転生系のロマンスファンタジーで、主人公がすごい!特別!とはされるんだけど、力のない15歳の少女等身大で、たくさんのものを見て不遇な過去を乗り越え自分で道を選択できるようになる成長譚だから読んでいてストレスはない。ファンタジー部分もしっかりして、ロマンス部分も押し付けがましさがなくて好き。 一貫してこどもは無条件に大人が守るべきものというメッセージがあってすごく安心したのと、最後の「大事なことはたったひとりで決めなくても良い」という部分が良かった。 「幾久しく、王座が黄金であり続けますように」
  • 2025年9月29日
    マイクロスパイ・アンサンブル
    なるほどマイクロなスパイのアンサンブルだった。 前作「アイネクライネナハトムジーク」がすごく良かったので読んだ。こちらは少しアプローチの仕方が違うような。どちらかというと「ペッパーズゴースト」な感じ(読んだ伊坂作品が少ないためそう感じるのかも)。 ラスト(番外編?)の「猪苗代湖でまた会う話」が読みたくて読んでたんだよ〜と思うくらいラストに満足。勿論道中も良くて、人生うまく行かないことが多くても生きていたら死んだことにならない、偶然の産物が誰かを、自分を救うかもしれない。そんなメッセージが込められている。 心が不安でザワザワすることがなく、続きが気になっても安心して読み進められる。
  • 2025年9月26日
    犬のかたちをしているもの (集英社文庫)
    女性の出産、子育て、恋愛。男女の性愛についてするかしないか、どの道を選ぶかすごく考えさせられる。 自分としては性愛はなくても良いんじゃないかと思っているから主人公の性愛がなくても愛したい姿勢に共感できる。が、それも一筋縄ではいかなくて、みんながみんな性愛なしでも良い人ではないし、世の中の「普通」としてないのはあり得ないみたいな、ぐるぐる思考が回って落ち着かない。 結婚や恋愛、女性のライフステージに悩んでいる人が読んだらものすごく共感するか嫌すぎて読めないかのどちらかのような本だと思った。
  • 2025年9月25日
    レ・ミゼラブル (上)
    レ・ミゼラブル (上)
    公演までには読み終わらなかったけれど、公演では省かれた情報の部分がすごくよくわかった。 ジャンヴァルジャン、コゼット、マリウスの最悪な状況から救いを得て最高の未来への這い上がる。エポニーヌ、ファンテーヌの悲しみの中の喪失。そしてジャベールの信じてきたものを打ち砕かれる挫折。綺麗な歌で語られる「惨め」な物語。 「運に見放され、不名誉な状態に陥った時にさす、簡潔明瞭な究極の言葉がある。"レ・ミゼラブル"つまり"あぁ無情"という言葉だ。」
  • 2025年9月23日
    High and dry(はつ恋)
    High and dry(はつ恋)
    14歳の主人公の初恋。 この作品の好きなところは、20代の男性と14歳の少女の恋愛、というより、人と人が心の深い部分で惹かれあう過程であるから性愛を含まず清々しく道徳的にハラハラせずに読めるところ。 少女の初恋の真新しさと葛藤や大人の関係の難しさ、親との関係の変化が瑞々しく、輝いて描かれている。 14歳にしては達観しすぎで周りが見えすぎているよな〜とは思った。自分とは大違いだ笑。 途中ででくる半分植物室のカフェは同著者の「ジュージュー」出でくるカフェかな? この本で一番好きなシーンが少女と男性が日帰りで男性の母親の家へ行くくだりで、男性が実は悪いやつだったらどうする?との少女の問いかけに対し、少女の母親が「ぶっ殺す」と言ったところ。 よしもとばなな作品は優しくて温かかくてキラキラ輝いているけど、攻撃的なほど生命力に富んでいて綺麗で終わらないから大好き。
  • 2025年9月22日
    この世の喜びよ (講談社文庫)
    少し読みにくく内容は難しかったけど、詩的な文章で美しくて好きだった。 一人称が「あなた」で始まる物語で、最後の最後の「あなた」は一人称にも取れるし少女に向けて言っているようにも俯瞰で見ている読者に向けて著者が言っているようにも取れるて一番好きな部分。 「マイホーム」「キャンプ」は伝えたいことはよくわからなかったけど、空気感は好きで、「マイホーム」はなんか嫌な気持ちになった(夫にイラついた)。 「キャンプ」を読んで思ったのが、子どもってお互いの名前や素性をよく知らなくてもいつのまにか仲良くなってて不思議だよな〜だった。
  • 2025年8月25日
    ジュージュー
    ジュージュー
    この本は「人生とは、何か特別なことをなさなくて良い、ただ死ぬまでありふれた、でも奇跡のように輝いている日々を送らなければならない」と読んで感じた。 登場人物みな個性的で、でも綺麗に共鳴している。ちょっと歪だけど理想的な関係性で羨ましくもある。 ハンバーグが食べたくなる優しい物語。
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