
Uka
@uka_000
2026年3月19日
読み終わった
また読みたい
タイトルはスープなのに半分くらいまでずっとサンドイッチの話で、読みながらいつタイトル回収が来るのか少しワクワクしながら読んだ。
相変わらず吉田さんの文脈は素敵で、のんびり心がほっこりする、でもたまにクスッと笑える言葉を紡ぐ。
【なにごともなく、晴天】の時もそうだが、自分もこのお話の中の町に住んでいるような、登場人物達と知り合いなのではないかと思わせるくらいに、引き込んでくる。そこが本当に楽しくて大好き。
人には聞いていいラインと聞きずらいライン、距離感が存在している。
あおいさんが本当に本人なのか、リツくんはお母さんを本当に覚えていないのか、安藤さんは本当に時計の事を知らないのか……など沢山ハッキリしていない所がある。
でも、そのはっきり言及されていないこの距離感が妙に現実的で、それが吉田さんの物語に自分がいるような感覚を引き起こしているのではないかと思った。
何度も読めばもっと語られていない部分の解像度が上がる気がする。
この【それからはスープのことばかり考えて暮らした】これは実際にスープについても考えているが、その裏にはスープを通して、あおいさんを見て、考えているのではないか。とも読み取れた。
最後のひと文、あおいさんの7分ズレた時計と同じように、わざと自分の時計も7分進めるシーン。
「それが、正しい時間の流れから切り離されて居ても構わなかった。この時間を忘れずにいること。」
これがまさに恋してる時の自分でも呆れちゃうような、ちょっとした自己満のしょうもない行動で、共感してしまった。ドキドキした。


