
花春
@haru-tuge
2026年3月19日
それでも旅に出るカフェ
近藤史恵
読み終わった
各国のスイーツを食べながらのコージーミステリー、シリーズ2巻目!
このシリーズは、単行本も文庫本も、どの本も表紙デザインが最高に素敵…✨ タイトルが読みやすくて、落ち着いていて上品で、明るくて、静かで、美味しそう。装丁のひとのセンスがいい…。
内容的には、連作短編10編すべてがコロナ禍〜ウクライナ侵攻が始まったあたり?の時期を舞台にしており、漠然とした不安感と閉塞感と断絶を感じながら、それでも美味しいものを食べ、人と話し、笑い、つながりながら日々を乗り切る…というテイストでまとまってた。
主人公のコロナ禍へのぼんやりとした、けれど確かにずっとある不安感や、世間と自分の感覚の乖離に強いシンパシーを感じつつも、「もう、この頃の不安感を忘れていて入りきれないなあ」とも感じて、最初は「読む時期が遅すぎたかな」と思ったのだけれど、読み終えてみたら、「コロナへの恐怖と不安が落ち着いてから読んでよかったー!」となった。
こう…前作と違って、「漫然と不安で、重い気持ち」のまま終わってる! これ多分、主人公に感情移入しまくれる時期に読んでたらしんどかった! 今でよかった!!
コロナで「旅が難しくなってしまった」時期にしか描けなかった物語たちであるのは確かで、この「店主が世界中を旅して、その土地で出会った美味しいものを日本の小さなカフェで出す」コンセプトだったシリーズでこの2冊目となったのは、すごいと思う。それでも旅に出るカフェ。それでも。すごい。面白かった。
ただ、リアリティに寄りすぎて、読んだあとに気持ちが晴れなかった。
ほんとにすごい構成だと思うし、心が揺れる話もたくさんあったのだけど。このシリーズに期待した読後感ではなかったのかなあ。最終話が特に気持ちがざわつくような終わり方のお話だったのも大きいかも。
どの話が好きだっただろう〜と目次を見返したら「あなたの知らない寿司」「彼女のためのフランセジーニャ」なので、やっぱり読後感がいい話が読みたかったのかな。
きもちはざわざわしたけど面白かったのは確かなので、3冊目が楽しみ。
