犬山俊之 "哀惜" 2026年3月20日

哀惜
哀惜
アン・クリーヴス,
高山真由美
「読む」楽しさを満喫した一冊。 冒頭で殺人事件が起き、最後に犯人がわかるというオーソドックスな推理小説なのですが、登場人物一人ひとりの人物造形が丁寧で、惹き込まれます。 思春期の子どもを育てるシングルマザーの疲弊、ダウン症の子の世話をする家族の苦悩、理想的な同性パートナーと結婚したはずなのに何かが心にくすぶる刑事の鬱屈……。それらが織りなすイギリス地方都市の生活の機微が胸に沁みます。  * 個人的には、同性婚をしているキャラクターが「普通に」描かれていることで、安心して読めました。同性愛者というだけで、からかわれたり、悲劇的だったりすることなく、「普通に」悩み、葛藤し、毎日を生きている。同性婚が合法化された地域では当たり前のことなのですが。 ちなみに、台湾でも同性婚は合法化され6年が経ちます。自分の教室にも何人も同性婚をしている方がいらっしゃいます。「あたらしいあたりまえ」(by きやまさん)がここにあります▼
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