田村 "あとは切手を、一枚貼るだけ" 2026年3月19日

田村
田村
@tamura1854
2026年3月19日
あとは切手を、一枚貼るだけ
あとは切手を、一枚貼るだけ
堀江敏幸,
小川洋子
幻想的な思い出の応酬と、じわじわと曖昧に開示されていく「私」の身体についての描写の不穏な雰囲気が素敵な作品だと思った。  読み終わったとき、ふたりは互いの世界のふたりとよく似た、しかし交わらない少し違う別の世界のふたりと文通しているのかな、と思った。ふたりの手紙は、どこかかすかにすれ違っているような印象を抱いたから。切ないラストだな、と。でも、最後の対談を読んで違うんだな、と思った。対談で出てきた「再会の小説」であるならば、「ぼく」がまぶたを閉じた女の人を待ち続けているのなら、ハッピーエンドだったんだな、と思った。互いを想い合うふたりの、素敵な往復書簡だった。
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