記憶の本棚 "舟を編む" 2026年3月20日

舟を編む
舟を編む
三浦しをん
辞書づくりに取り組み、言葉と本気で向き合うようになって、私は少し変わった気がする。言葉の持つ力。傷つけるためではなく、誰かを守り、だれかに伝え、だれかとつながりあうための力に自覚的になってから、自分の心を探り、周囲のひとの気持ちや考えを注意深く汲み取ろうとするようになった。 岸辺は『大渡海』編纂を通し、言葉という新しい武器を、真実の意味で手に入れようとしているところだった。  (p255) ------------------------------------ 本当に素敵で、心が穏やかに、そして不器用ながらも誠実に生きることへの勇気をもらえるようなお話だった。 日々の生活の中で誰もが経験するような気持ちや悩みを、登場人物たちもそれぞれが抱きつつ、それでも誠実にまじめに、自分の中で言葉や考えを紡ぎながら相手に正確に伝えられるように努力していく姿に、学ぶことも多かった。 今度書店でいろいろな辞書を手に取って読み比べて、お気に入りの辞書を探してみたいとも思った。 不器用な生き方しかできないと悩んでいる人に、そのままのあなたでも大丈夫だよ、とそっと送りたい一冊。
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