コー
@koobs-books
2026年3月20日
銀の匙
中勘助
読み終わった
今まで名前すら知らなかったけど、すごく綺麗な文章だった。
純文学と言われている、文章の芸術性とは何かがわかった気がする。
描写がとても美しい。くどくなく、作者の主観や心情を反映した描写ではなく、客観的に描いているように感じるのに、主人公の繊細な視点から見ている気になる。今までにない感覚。
筋は特になく幼少期からの出来事を描いているだけなのに、描写や地の文の美しさに、1章ごとに引き込まれる。
各章の最後の1文が良すぎて、ショートショート?(というより詩に近いのか、解説に散文より詩を読んでたってコメントあったし)としても素晴らしい。もちろん主人公の苦悩や葛藤、嫉妬は感じるが、あくまでも日常を切り取っただけなのに、1シーンごとになんとも言えない感傷に浸れる。
この作者短編も上手いのでは?と思った。
また読み返したい。
個人的には谷崎よりも馴染む。スッと入ってくる。それゆえに、引っ掛かりがないとも言えるのかもしれないが。これは比類なき美しさだと思う。


