むくげ "君の六月は凍る" 2026年3月20日

君の六月は凍る
表題作『君の六月は凍る』ともう一篇の『ベイビー、イッツ・お東京さま』で文章のイメージががらっと変わり、非常に驚いた。王谷晶さんの作品を初めて読んだので、どちらの作品がより本性に近い作風なのか気になる。どちらも読んでいてしっかり面白かった。 文章からくる印象はだいぶ異なるが、根底にある主題は似ているように思う。両者とも、名前を持たない、性別を問わない愛が、少なくとも部分的には描かれている。また、(性欲を含む)愛に対する拒絶も描かれているように感じた。 加えて、田舎の持つ閉塞感、絶望、虚無などの感覚なども裏のテーマとしてあるように思う。どちらの作品でも、登場人物が田舎から脱出する場面が存在している。脱出が成功と言えるかどうかは明かされていないような気もする。
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