
やえしたみえ
@mie_e0125
2026年3月21日
コンビニ人間
村田沙耶香
読み終わった
@ 自宅
今更ながら読了。最後の展開にウオオオオオいけいけいけいけGOGOGOGO!!!!!!てなったね。激アツだった。冗談でなく。
主人公の古倉さんはコンビニのために生まれてきたんですよ。読んですぐにASDかつサイコパスっぽいなと思ったんだけど(ASD単体だとここまでにはならない)、その特性はコンビニのため、全てコンビニのために構成されていた。カトリックらしくいうなら、コンビニ店員であることは彼女のタレントだった。それを自覚できたのは大きな救いだ。本当に良かった。だって、私たちは決して普通にはなれないから。定型発達にはなれないから。
「治らない」から。
コンビニ人間であることは、普通の皆さんからしたら不気味で、それでいいの?と思うかもしれない。でも、この話は間違いなくハッピーエンドだ。それも、最高の。「私たち」にはわかるのだ。
私も発達障害者だけど、古倉さんほどあっち側に行ってもない。白羽の方がまだ近い(思想等々は勿論全然違うが、普通じゃないし普通になれないのに、普通の振る舞いとはなんたるかというのを一応は知っているという点において)。白羽はキモすぎるんだけど、白羽も古倉も、私は他人事だとは思えない。ほんの少し何かがかけ違っていたら、私はこのどちらにもなる可能性があった。
妹が家に来るシーンが本当に苦しくて、中でも「家でもコンビニみたいな話し方をする」という描写はきつかった。私の身内にはこういう芝居がかった喋り方、コミュニケーションをする人が多い。たとえば父は少年漫画とヤンキー漫画だけを学習元にしたAIみたいな人だし。そして自分も、物心ついた頃には周囲をラーニングして真似するといい、という感覚を持って動いていたから、今もそうなんじゃないかと不安になる。喋り方だけじゃなくて、歩き方や些細な仕草まで、ちゃんと馴染めているか不安になるのだ。古倉は、だれそれさんの真似をして、時にはミックスして、普通らしい喋り方をしている"つもり"でいる。けれど、もしかすると、そう思っているのは自分だけかもしれない。それが突きつけられたのが、妹との会話だったように思う。私はこれが怖いから、自分の声の録音や動画を見るのが本当につらい。もう少し自分が古倉よりだったら、冷静に他者と自分を比較検討できただろうに。
それを上手いことペラペラ話して助けてくれる白羽の描写はすごかった。白羽はキモすぎるんだけど(2回目)、私は結構好きなキャラクターだ。彼はおそらく目の前で古倉が詰められてるのをそのままにしておけない程度には共感性がある。勿論あれは自分の存在のメリットを示すための行為でもあるんだけど、「聞いていられない」というのも絶対にあったと思う。その普通さがたまらない。ふたりとも異常者だが、白羽の方がまだ普通に近い。
というか、白羽は異常になりきれないから苦しんでいるのだ。もっと開き直れれば、縄文時代がどうのなんて言い訳せず、ひとりで生きていけるのに。それこそ、コンビニ人間になることを決めた古倉のように。でもできないのだ。私は生まれてこの方「普通」になるべく足掻き続けているが、白羽のように、「普通」になれる気がもうしない、もうおしまいだ、そんな気持ちの中でミソジニーの濁流に飲まれたら、全てそれが悪い、世界が悪いのだと塞ぎ込んで世界から隠れてしまいたくなるだろうというのは、かなり実感を持って理解できる。私だっていつでも逃げたい。普通と異常を隔てる線があるとして、私は古倉や白羽よりほんの少しだけ普通側に近い場所にいたし、運が良かったし、何よりまだ若いから、なんとかなっているにすぎない。白羽…………涙
私はコンビニ人間にはなれない、白羽みたいな人間なのだ。でも、これにだけは本当にならないようにしよう。白羽はキモすぎるので……(3回目)
さくっと読めたしもっと早めに読んどけばよかったな〜








