
JUMPEI AMANO
@Amanong2
2025年3月16日

大江満雄セレクション
大江満雄,
木村哲也
まだ読んでる
就寝前読書
「関係的誠実」(ないし「関係的真実」)を求め、「転向」という過去から眼を逸らすこともなく、他者と関係を結び共に生きることを考え抜いた詩人の言葉に胸を打たれるばかり...
随筆「私の詩法」より。
“たれもが知っていることだが、敵の概念を、しっかりつかまえないと、詩作の上で失敗すると思う。ラテン語の敵という言葉は、元来自分がもたぬものをもっている者という意味だそうだが。[...]敵の前ににこにこ立ってゆきたい。敵とは対話の精神を強化してゆくものなのである。/[...]軽蔑すべき事柄や人間がふるいたたせるということを考えねばならぬ。”(183-184頁)
随筆「詩人とユネスコ」より。
“ともかく今度こそ、冷静に覚めきった眼をもちたい。[...]/[...]/いったい詩人というものは、精神の虚栄をもち自己を特殊に美化したがるものです。[...]しかし今日の詩人は独断におちることはできない。とくにヒュマニストは理解という橋を大切にし反対の者、敵を深く知らねばならないと思います。”(186頁)
“いくら、国に平和をとなえても戦争ボクメツなどといっているうちは個人間も国家間も暴力はたえまないことでしょう。私は、ただボクメツというその一つの乱暴な言葉を問題にするのではなく、コーフンした一切の言葉と己が背負えない言葉を否定したいのです。”(188頁)
