ささきくん "コンビニ人間" 2026年3月21日

コンビニ人間
コンビニ人間
村田沙耶香
はじめて読んだ芥川賞作品。 本を読む方ではない自分にとって、芥川龍之介は 「言ってることは分かるんだけどイマイチ楽しみ方がわからないんだよなぁ…」 と思っていた。なんとなく芥川賞受賞作品も注目したことなかったがご縁があったので読みました。村田沙耶香さんの作品もはじめて読む。 文章と小説が上手くてすらすら読めた。短いのも原因だろうけれど、単純におもしろい。中年女性の話だから共感は得られないだろうが、難しい言葉もあまりないので中学生でも読めそう。やさしい。好き。 コンビニ人間にとっての世界や人間は複雑すぎる。異端でいることが煩わしいから真似る、学習して適応する。けど共感ではなく、擬態だから空気を読まない人は首を突っ込んでくる。辛いコトです。 鬱病や適応障害などの二次疾患を発症していれば、病院に行けますが、そうではなかったからコンビニ人間のままなんでしょう。システマチックで、やることやってれば存在が受容される。コンビニは古倉さんにとっては天職。 コンビニが必要としなくても古倉にはコンビニが必要なのです。 抑圧された家庭で遊んでいると、テレビを見るなとか、家事を手伝えとか、誰かに邪魔されたり怒られたりするとします。けれど読書や勉強なら、大人は目をこぼしてくれたりするじゃないですか。 古倉のふるわない人生で、トレース可能な学習先がたまたまコンビニだったし、それ以上のものがなかった。 生きていくうちに得られるはずの肯定感が全然ないから共感も目標もなく、みんなが治してほしいと古倉に願っていた。そりゃあおかしいのがどんどんおかしくなりますが、止める手立てなんてないですよ。 音楽と細胞のたとえがとても分かりやすかったです。村田沙耶香さんはどうやってこれを書かれたのか、すごく気になりました。 たまたまタイミングが合っただけなんですが、手にとれてよかった。
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