ぴよみ "暁星" 2026年4月5日

ぴよみ
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@erim_0521
2026年4月5日
暁星
暁星
湊かなえ
★★★★★ 一言で言うと、心から「大好きだ」と思えた作品だった。 物語は、前半が“犯人の手記”、後半がその手記をもとにしたフィクションという二層構造で描かれる。 前半を読み進める中では、どこか腑に落ちない部分や、理解が追いつかない感覚が残る。 けれど後半に入った瞬間、それまでの断片が一気につながり、霧が晴れていくように物語がクリアになっていく。 「あの言葉、前半にも出てきた」 そんな気づきとともにページを行き来しながら、答え合わせをしていく読書体験も非常に魅力的だった。 読後に残ったのは、胸がきゅっと締め付けられるような切なさ。 けれど同時に、「本当にただそれだけだったんだ…」という、切なさと余韻が残る。 そして、その感情を抱えたままもう一度手記を読み返すと、まるで別の作品を読んでいるかのような感覚物語の見え方はまったく変わる。 「とんでもないものを読んでしまった」と思わされた。 たとえ周囲のすべてが敵に見えたとしても、たった一人でも自分を理解してくれる人がいる―― その存在の尊さは、何ものにも代えがたい。 そんな普遍的で大切なことを、深く静かに突きつけてくれる作品だった。
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