okataro "ザ・ロイヤルファミリー" 2026年3月22日

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@okataro007
2026年3月22日
ザ・ロイヤルファミリー
昨年秋から放送されていたドラマ版(日曜劇場)を見ていたこともあり、その熱が冷めやらぬまま、年始から原作を読み進めた。 物語は、ワンマンな馬主・山王耕造と、そのマネージャーとなる税理士・栗栖栄治を中心に、競馬に関わる人々の人間ドラマや、馬自身の数奇な運命を描く。 物語序盤、栗栖はとにかく山王社長に振り回される。一見すると傍若無人で、部下が一番気を使いそうな上司像なのだが、時折見え隠れする馬への深い愛情や、不器用なほどまっすぐに人を想うシーンがズルい。 善人とも悪人とも言い切れない印象だった。栗栖もまた、そんな社長の引力に惹き込まれていったのだろう。 ライバル馬主である椎名とのやりとりも印象的だ。張り詰めた緊張感の中に、好敵手へのリスペクトや、ある種の信頼関係が垣間見える。読み進めるうちに、彼ら馬主の姿が、誇り高きサラブレッドそのものに見えてくるから不思議だ。 振り回される周囲の人間たちも、紆余曲折ありながら、結局は社長が突き進む道に付いていくことになる。 本作では、人馬ともに「親子二代」にわたって有馬記念を目指す姿が描かれている。 親や憧れを超えていく姿、継承される想いを背負い、目の前のレースを懸命に駆ける馬たち。 その結末がどうなったのか。 それは、巻末にあるたった一枚の「戦績表」だけが静かに教えてくれた。
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