
トウジ
@Dokkorasyoi_
2026年3月21日

羊と鋼の森 (文春文庫)
宮下奈都
読み終わった
高校で調律の世界に引き込まれるがまま調律師となった主人公外村。彼を囲む個性豊かな先輩やピアノと様々な関わり方をする依頼者たちに影響され、自分と向き合いながら少しずつ成長していく。
まず書き出しが素敵。
音楽に深く関わることのなかった主人公の感動を精一杯自分の知りうる「森」に準えて綴るのが可愛らしく、美しい。
地の文でも会話でも比喩が絶え間なく使われることで、世界が広がり深まるとともに、音楽を言語化することの難しさも思い知らされる。それゆえに板鳥の目指す「明るく静かに澄んで(中略)文体」という言葉がはっきりと頭に刻まれる。
自分の現状に焦ったり、このままでいいのかと悩んだりした時には、またこの「森」に戻ってきたい。森を出る頃にはきっとまた歩き出せるようになるはず。
和音、由仁の双子がとても良いです。ふたりが決心するまでにどんな葛藤や対話があったんだろうと思い馳せています。




