okataro "羊式型人間模擬機" 2026年3月23日

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@okataro007
2026年3月23日
羊式型人間模擬機
とある一族に仕える、アンドロイドから見た不思議な物語。はじめはその独特な文体に付いていくのがやっとで、登場人物も多いこともあり、誰がどのことを言っているのか理解するのに時間がかかった。時々文章が滑り何度も元に戻っては読んでいくうちに、人として感じることと、人でないものとして繰り返すことをこちら側も体験していた。順序立てて行動をしているにもかかわらず、その節々で記憶や衝動が時系列や情景をランダムにさせる。 物語全体を通して、何かにケリがついたり、真相が暴かれたりすることは無かったのだが、一族の「血」から逃げられない人間が見る世界と、理から逃げられないアンドロイドが見る世界のアンマッチなようで、根幹は同じような描写がとても良かった。眠ることで機械の彼女の感情はリセットされ、小さな死を繰り返す。それは、一族の一生を見守るための逃れられない理でありながら、ほんの少しだけ変わっていくきっかけでもあったのだった。
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