
Marua
@marua
2026年3月23日
夕暮れに夜明けの歌を
奈倉有里
先日奈倉さんのトークイベントに参加して、また読みたくなって引っぱり出してきた。アントーノフ先生について質問した方がふたりいて、深くうなづきながら聴いた。
先生はしょっちゅうお酒を飲んでいるが、授業になると一変する。「授業のはじまりはいつも、まるで劇場の幕があがる瞬間だった」と著者が書いているように。そして「魅了される観客と化した学生は、息を呑んで前を見つめる」
魅力的な授業をしていたという先生の晩年は、何度も読んでも胸が締めつけられる。クリミア半島を無理やり併合されたことをきっかけに、緩慢な自死に向かっていたのかと漠然と考えていたが、そうではなく、その前から体に負担のかかる飲み方をしていたようだ。
先生の口調を再現しているかのような奈倉さんの文章も素晴らしい。


