
万願寺
@manganji_
2026年3月23日
2030 来たるべき世界
モニカ・トフト,
オードリー・タン,
エマニュエル・トッド,
佐橋亮,
錦田愛子
読み終わった
エマニュエル・トッドを中心に据えた国際政治論が文春新書からではなく、朝日新書から出ている!というびっくりから始まりましたが、朝日新聞のフォーラムに招聘したとのことで納得しました。朝日がトッド氏の論をどのように受け止めるのか(核保有など)という不思議がありますが、そこにこそ対話が必要だという姿勢で、いいなと思いました。ロシアのウクライナ侵攻を米露の代理戦争とするトッド氏の見方には反論も根強くあるようですが、私としては代理戦争まではいかなくとも、かなり強気の英米の挑発にロシアが我慢ならなくなったという見方は支持しています。そしてやはり語られるのはトランプのアメリカがどのような振る舞いを今後するのか、アメリカを、他でもない日本はどう捉えるべきかという喫緊の課題を多くの人が語っていることが本書の骨子だと思います。モニカ・トフト氏の勢力圏の考え方は、最初はなんだ、何を言われてるんだ、と思いましたが、19世紀に逆行しているような世界のフラグメンテーションを考えるとなるほどと思いました。トッド氏の『西洋の敗北』はフランスと日本でしかまだ出版されていないらしく、英米人は絶対読んだ方がいいと思うので残念だと思います。しかし日本で早く翻訳してくれてよかったです。トッド氏の国際関係論はもちろん鵜呑みにすることはできない面が多々ありますが、私はひじょうに親近感を持って読んできたので、新書でこうしてまた安価に読めることはありがたいです。