鷲津 "パンドラの匣改版" 2026年3月24日

鷲津
鷲津
@Washizu_m
2026年3月24日
パンドラの匣改版
『君はギリシャ神話のパンドラの匣という物語をご存じだろう。あけてはならぬ匣をあけたばかりに、病苦、悲哀、嫉妬、貪慾、猜疑、陰険、飢餓、憎悪など、あらゆる不吉の蟲が這い出し、空を覆ってぶんぶん飛び廻り、それ以来、人間は永遠に不幸に悶えなければならなくなったが、しかし、その匣の隅に、けし粒ほどの小さい光る石が残っていて、その石に幽かに「希望」という字が書かれていたという話。』 兎角暗くてネガティブなイメージのある太宰ですが、これは太宰の中で一位二位を争うくらい、明るくて甘酸っぱいお話 それもあって、私の中では一番大好きで大切な小説です 初出は新聞連載。手紙形式の構成もあって、主人公の気持ちが妙に生々しく、あっという間に物語に引き込まれていきます タイトルの『パンドラの匣』大袈裟なタイトルのような気もしますが、読み終えると、不思議にこのタイトル以外、思いつかない…そんな奇妙な気持ちになります 閉塞感に包まれる、こんな今だからこそ読んで欲しい一冊。私が何故一番この小説が好きなのか…それは小説の最後の文章が好きだから 『この道は、どこへつづいているのか。それは、伸びて行く植物の蔓に聞いたほうがよい。蔓は答えるだろう。 「私はなんにも知りません。しかし、伸びて行く方向に陽が当たるようです。」』
パンドラの匣改版
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