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@bunkobonsuki
2026年3月24日
遅いインターネット
宇野常寛
読んでる
第一章——民主主義を半分諦めることで、守る
何やら不穏かつニヒリズムな題名だ。
だが、本章の本懐は「守る」ことにある。決して「民主主義なんてくだらねー」というような投げやりな態度ではない。むしろ、著者の思考はその反対を行く。
どうやったら現状の民主主義を発展させられるか?
今の民主主義では「anywhereな人々(どこでも生きていける存在)」と「somewhereな人々(どこかでしか暮らせない人)」の対立は避けられず、選挙では後者が支持した方が勝つ。本書では2016年のドナルド・トランプ当選を例に引いている。まさか、2024年に再び同じようなことか繰り返されるとは。
地域に根ざす人々から見たどこへでも行く人々への悪感情を、民主主義は止めることができない。著者はそんな民主主義を改造・発展することを促す。台湾では政府と市民が激しく意見を交わしたことをきっかけに、インターネット上で議論をするSNSが出てきた。
インターネットで議論をする——現行のSNSでそんなことができるのか。冷笑に近い疑問に著者はこう提唱する。
「いま必要なのはもっと『遅い』インターネットだ。それが、本書の結論だ」

