
-ゞ-
@bunkobonsuki
2026年3月24日
遅いインターネット
宇野常寛
読み終わった
終章——遅いインターネット
本書の第一章から仄めかされてきた「遅いインターネット」の正体は、ウェブマガジンである。
「革新的なSNSとかじゃないの?」と思われた方もいるだろう。しかし、かつて"革新的"とされた各SNSの民度を顧みれば、ウェブマガジンという形態は真っ当な選択である。マガジンは、画面スクロールを伴うSNSに比べて情報が残る。残るからこそ、長く事柄について考えられるのだ。
本書で提示される遅いインターネット論は、速いインターネットと対比する形で論が進められる。
速いインターネット——それは、まるで自転車のペダルを漕ぐごとき回転速度で話題が変わるSNSやニュースサイトを指す。考えるために情報を閲覧していたはずの人々は、いつしか考えないために情報を摂取するようになった。
そうした、考えないためのツールとなったインターネットを「考えるため」の存在に戻す試みが、遅いインターネットなのである。
媒体として「遅いインターネット」はある。
だが、その思想や姿勢は他の媒体でもやれるはずだと私は読みながら思った。インターネットの使い方は個人が操作できる。
インターネットという仮想の車。
速度の調整は、その人の意思にかかっている。
