
語彙力ナシ子
@nashiko03
2026年3月24日
時の家
鳥山まこと
かつて読んだ
「家っていうのは時の幹やから」
一軒の家を中心にこれまで住んできた人々と家を作った人・描く人の記憶のかけらが交差し、離れていく。
この本を読み始めた最初の頃、語り手が変わったのに明確な文体での表現(例えば改行を多く入れるなど)がなくて、違和感を感じたんだけど、それは時の幹である家が語り手になってるから、なのかなと読んでいて思った。
何かを思い出すことは、シーン切り替えのように一呼吸いれるものではなく、何かを見聞きしたり、触れたときにふっと過ぎるもの。
人間の不確かな淡い感覚を木目をなぞるようにゆっくり丁寧に描写する作者の文章がすごく好きになった。
最後の部分は書かなくてもいいんじゃないか、という声を聴いたことがあって、もう一度読んで考えてみたけど、著者が建築士でもあるからこそ、「何かを生み出すときは終わりも考えてから作ってる」その姿勢が物語でも表れているんじゃないかな、て思った。
