
ハム
@unia
2025年3月16日

ブラックホールは白くなる
カルロ・ロヴェッリ,
冨永星
読み終わった
もはや文学作品なんだよなぁ。
そして、科学者という西洋の思考様式の権化たる存在なのに東洋の考え方に対するリスペクトがあるのが良い。
ホワイトホールを導く論理を詩的に表すそのスタイルは、物理学への門を開いているのだけれど、思考とは何か、言語とは何か、といった人間の本質に立ち返る道標にもなる。
〈置いていくものが多すぎると、前進するための道具がなくなるが──しがみつくものが多すぎると、新たな理解への道を見落としてしまう〉
そのバランスが取れていないと従来の概念から解き放たれることが難しい。
ものすごい難しいことなはずなのに至ってシンプルなことのように思えてしまうのは著者のなせる業で、ループ量子重力理論という最先端の研究の行く末を長い目で見守りたい。