ブラックホールは白くなる

ブラックホールは白くなる
ブラックホールは白くなる
カルロ・ロヴェッリ
冨永星
NHK出版
2025年2月25日
3件の記録
  • 夏海
    夏海
    @myhookbooks
    2025年7月6日
    面白かった。まったく未知のものを想像して、理論を使い証明するなんて、理論物理学はロマンが詰まっているなと思う。 ブラックホールの最後の話は、ごくごく普通の私でもきちん理解できるように書かれていて、だからこそとても面白かった。(注釈でほんの少しだけ物理の専門用語で翻訳したものが載っているのだけど、ちんぷんかんぷんなのが、また面白かった。) 端々にダンテの神曲の台詞が散りばめられていたり、時折登場する作者の想い(いわゆる独白)が、ただの物理の本ではなく、文学作品のように感じることができたからこそ、読むのが楽しかったというのもある。 あと、カール・ジャンスキーがキャッチした摩訶不思議な電波信号をラジオの実況中継でみんなで聞いたって話が、なんとも胸に響いた。1933年5月15日の話。その頃、海王星はどこにいただろう?ジャンスキーのホロスコープも気になる。 そして、ダンテの神曲、そのうち読みたい。
  • ハム
    ハム
    @unia
    2025年3月16日
    もはや文学作品なんだよなぁ。 そして、科学者という西洋の思考様式の権化たる存在なのに東洋の考え方に対するリスペクトがあるのが良い。 ホワイトホールを導く論理を詩的に表すそのスタイルは、物理学への門を開いているのだけれど、思考とは何か、言語とは何か、といった人間の本質に立ち返る道標にもなる。 〈置いていくものが多すぎると、前進するための道具がなくなるが──しがみつくものが多すぎると、新たな理解への道を見落としてしまう〉 そのバランスが取れていないと従来の概念から解き放たれることが難しい。 ものすごい難しいことなはずなのに至ってシンプルなことのように思えてしまうのは著者のなせる業で、ループ量子重力理論という最先端の研究の行く末を長い目で見守りたい。
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