
読書日和
@miou-books
2025年3月16日

山影の町から
笠間直穂子
図書館本
誠品選書でご紹介されていて、図書館で予約!
著者はフランス文学研究者であり翻訳家。
東京から秩父の山奥に移り住み感そこでの生活や目にした自然、土地の人々との交わりについて感じたことを淡々と綴る。
秩父の自然の描写がとても美しい。
最初の『常山木』から。
八月のある日、開けた窓から風に乗って流れ込んだ爽やかで甘い濃厚な匂いには覚えがあった。ジャスミンをより野性的にしたような香りが暑く湿った空気に充満して、嗅いでいるとちょっと朦朧としてくる。
空気の匂いまで伝わって、五感が刺激される。
秩父の家を決めたのも『ウメとともに出会い、ハナミズキとともに決めて、キンモクセイとともに住みはじめた。』冬の終わりから秋にかけての木々、花、時間流れを感じられる。
こういう文章はどうやったら書けるようになるんだろうなぁ。書けなくても感じながら日々を過ごしたいよなぁ。