授受 "汝、星のごとく" 1900年1月1日

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@mocca1104
1900年1月1日
汝、星のごとく
漫画の冒頭と結末だけ齧って読んだ上で、わたしの個人的な物語に対する信条を踏まえて怒り狂います。 この本が好きな方はこれ以上読まないでください。一言も褒めていませんので。
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@mocca1104
すごい、わたしが偉そうに言えた立場でないことを承知の上でいいますが、「登場人物の死」をもって汚い中身に薄っぺらい感動という名のテクスチャ、あるいはメッキを貼り付けているようにしか見えないのです。 切実ならいいのか。歪んだから仕方ないのか。 感情の切実さに涙を流すことは否定しませんが、逆に「死」という決定的で不可逆な破綻で有無を言わさず回収されると、俄かに薄っぺらくなるんですよ。 「死を間際にしたら仕方ないよね」「死ぬまでに好きな人と一緒にいたいよね」。はい、わかる。わかります。わたしにだって情緒はあります。情緒を倫理が踏み越える瞬間を否定はしません。 だけど、じゃあ何してもいいっていうんですか?不治の病に侵されたら法を犯して人を殺めてもいいんですか?どの女性も等しく愛しているなら一夫多妻制もアリなんですか?違いますよね。そういう不条理に、倫理を踏み越える罪悪感に血反吐吐くほど苦しんでのたうち回って、それでも選び取った過程があるならわかります。 むしろその苦しみ、葛藤、良心の呵責、サバイバーズギルト、全部大好物です。ですが少なくともレビューや感想を読む限り、そこに悩んでいる描写があったとは書いていないし、実際に悩んでいた様子はない。 むしろ櫂のがんがおそらくステージⅣまで進行して、最後の力を振り絞って花火を海辺で見るときに「なんかもうめちゃくちゃな、面子やな(滅茶苦茶な倫理観の面子だな)」とある種自嘲のような呟きをこぼしていることで、「私達の関係は倫理的にアウトだけど、それはちゃんとわかってますからね」みたいな免罪符にしてるように見えて気持ち悪いんです。 というか浜辺って絶好のロケーションじゃないですか。なんで他の客いないの?あまりにお誂え向きすぎませんか?病室から見る花火じゃダメだったんですか。今治の病院と連携を取るのに手間取ったとか言うけど、その連携を取る前に転院の話とか上がらなかったんですか。終末ケアとか緩和ケアみたいな話、数ヶ月もあればそういうのは話題として上がらなかったんですかね。亡くなった後のご遺体はどうしたの。まさか浜辺で散々泣いた後に119したとか言わないよね。外で無くなったらたしか検死報告とかしなきゃならないんじゃなかったか。「グエ〜死んだンゴ」ってまさかそのまま手を握って気が済むまで泣いたわけ?海で遊びたい人とかいてもしばらく現場が封鎖されたりしませんか?だとしたらそれって迷惑すぎません? 葛藤のない逸脱はただの「我儘」だし、良心の呵責のない背徳はただの「無神経」だし、死で解決する物語はただの「思考停止」なんですよ。 なのにこの作品は倫理の破綻を 「人間の弱さ」として、無責任であることを「どうしようもなさ」として、逸脱を「純粋さ」として描いてる。 切実さを語りたいのなら、「誰もぐうの音も出ない出来事」で無理やり倫理をねじ伏せるような真似をしないでいただきたい。これが起こったらどうなるかをもっと突き詰めてほしい。リアルな感情表現に対して現実味があまりに希薄すぎる。頭を使わなくていい(感情移入だけしておけばいい)物語なのに、どうでもいいことに目が行って頭を使いすぎてほとほと疲れる。
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