
阿久津隆
@akttkc
2026年3月2日

アブサロム、アブサロム 上 (講談社文芸文庫 フA 2)
ウィリアム・フォークナー
読んでる
コンプソン氏が手紙を持ってきて、クェンティンとともにベランダにいて、コンプソン氏はベランダに灯っている小さな、汚れた、電球を指さした。
p.131
「これどころか、外の明りでさえ、この手紙にとっては、彼らにとっては、明るすぎるかも知れない。そうだ、あの時代の、すでに死んだ時代の人々にとってはな。彼らもわしたちと同じような人間であり、わしたちと同じような犠牲者だが、わしたちとは違った事情の犠牲者で、わしたちより単純で、それゆえ、一個の人間としてわしたちよりも大きく、より英雄的で、それゆえ姿もより英雄的であり、いじけもしなければもつれもせず、明確で単純で、宝さがし袋から手足ばらばらに盲滅法に取り出されてつなぎ合わされたそこらの人間どもとは違って、一度だけ愛し一度だけ死ぬ才能を持ち、無数の殺人と無数の交接と離婚の張本人であると同時に犠牲者なのだ。たぶんお前のいう通りだろう。たぶん今の外の明りより少しでも明るすぎると、これを読むには明るすぎることになるだろう」
コンプソン氏が本領を発揮し始めた感。