しまりす "改訂版 日本茶のすべてがわか..." 2025年3月13日

しまりす
しまりす
@alice_soror
2025年3月13日
改訂版 日本茶のすべてがわかる本
改訂版 日本茶のすべてがわかる本
NPO法人日本茶インストラクター協会,
日本茶検定委員会
■第四章 チャの育て方 分布 赤道を挟んで北緯45度から南緯45度 日本のチャの北限ー4つの見方 1、お茶の栽培・生産が産業として経済的に成り立つ北限 太平洋側→茨城県大子町(奥久慈茶) 日本海側→新潟県村上市(村上茶) 2、製茶の北限 伝統的な手揉み製茶→秋田県能代市(檜山茶) 近代的な機会製茶→岩手県陸前高田市(気仙茶)国土地理院の地図で茶園として記されている最北は秋田県能代市檜山 3、茶が栽培されている北限 青森県黒石市 4、チャの木が植樹されている北限 北海道古平町(北緯約43度)の禅源寺の庭にあるチャが日本最北の茶樹 育ちやすい気象条件 年平均気温:14〜16℃ 最低気温:マイナス11〜12℃を下回らない 降水量:年間1,300mm以上 そのうち、生育期間の4〜10月:900mm以上/月 気温が高ければよく育つが、高いところは収量は多くとも品質は劣る 平均気温だけでなく、昼夜の温度差なども品質に影響 育ちやすい土壌 粘土と砂質土に土壌有機物が混じりあった土壌 深く耕せる厚い土の層、養分に富み、通気性がよく、適度な保湿性があること 土壌水分は多すぎても少なすぎても根の生育に良くない→排水性も重要 酸性、pH4〜5くらい? 品種について 2021年現在、農林登録で50種類以上 種苗法による登録では80種類以上 選ぶポイント 茶種、気象条件、経営形態、茶園の面積など 茶種 日本茶は、「煎茶用」「玉露・碾茶用」「釜炒り茶用」の3つに大別 煎茶用→煎茶ならではの味と香りに優れていること 玉露・碾茶用→覆いをかけて栽培することから、遮光に対する生育適応性があること、葉の色が鮮やかな緑であること 釜炒り茶用→釜香の出具合がよいこと 最近は紅茶品種の「べにふうき」も登録 気象条件、立地条件 「やぶきた」は中生種 これより摘採時期が早いのが「早生種」、遅いのが「晩生種」 温暖で霜がおりない地域は、「早生種」が有利→他の地域よりも早い「走り新茶」を生産できるから 気温が低い山間地では、霜の被害に遭わないように「晩生種」が良い 茶園の面積が大きい場合は、数種類の品種を組み合わせるのが得策「早生種」「中生種」「晩生種」を合理的に組み合わせ、作業を分散させながら栽培 主な品種の特性 「やぶきた」 品質が高く収量が多い 寒さに強く根付きやすい中生種 全国の茶園面積の70%以上 「ゆたかみどり」 鹿児島県や宮崎県で広く栽培される早生種 収量が多く病気に強く、樹勢(樹が生育する勢い)が強いが、寒さに弱い ※農林登録はされていない 「べにふうき」 紅茶用品種で開発されたアッサム系の品種 花粉症など抗アレルギー作用のあるメチル化カテキンを多く含む 耐寒性が弱く主に九州地方で栽培されていたが、近年は機能性の評価が高まり、全国の温暖な産地に広がる チャは永年性植物で、成木になるまで時間も費用もかかるため30年以上樹の植え替えをしない(苗から葉を摘み取ることができるまで4年ほど、収量が安定するまで7〜10年、収益性を担保できる寿命は30〜50年くらい) 現在、茶園の多くは樹齢40年以上の樹を抱え、植え替えの時期を迎えている チャの繁殖 挿し木によって繁殖 昔は種子を撒いての繁殖だったが、自家不和合性(多品種のチャの花粉でなければ受粉しにくい)であるため、できた種子は遺伝的に雑種、発芽した茶樹は株ごとに形質が異なり、品質が安定しない ↓ 明治以降試行錯誤され、昭和に入ってから挿し木法が実用化し、形質が安定 種子から育ったチャの根は挿し木苗に比べて深く伸び、干害や寒害に対する抵抗力が高い →山間部など立地条件が厳しい茶園で行われる c.f.チャの花 チャ×ツバキ→「チャツバキ」 チャ×サザンカ→「サザンチャ」 摘採方法 1、手摘み 2、手鋏、手摘みの10倍効率上がる 3、1人用動力小形摘採機、手鋏の1.8倍〃 4、2人用動力小形摘採機、手鋏の数倍〃 5、乗用型摘採機 6、レール走行式摘採機 摘採時期 品質と収量に関係 品質がピークの時は、収量は少ない 収量が多く、かつ品質も下がりすぎないタイミングがベスト 「出開き度」……新芽は、葉の基となるものが5〜6枚巻き込まれて生長と共に開く この最後の葉を「止め葉」と呼び、これが開いた時を「出開いた」れという 摘採の適期は出開き度50〜80%、早摘みの場合30〜50%がベスト、90%を超えると、先に開いた葉が硬くなり品質が落ちる 1番茶は5〜7日間くらい続く 摘み方、「一芯二葉」、「一芯三葉」 チャの葉は生長とともにカテキン類やカフェイン、アミノ酸の含有率が減少し、食物繊維と糖類が増加 「みるい」=「幼くて弱くて柔らかい」→「みる芽」⇔「硬葉(こわば)」 整枝と剪枝 整枝→茶株面をきれいに揃える作業 新芽が一斉に伸びるようにし、新芽の摘菜の時に古い葉や茎を一緒に刈ってしまうのを防ぐ、10月頃「秋整枝」、3月頃「春整枝」 剪枝(更新)→茶樹を思い切って短く刈ること 一時的に新芽の数は減るが、新芽は太くなり茶の品質が良くなる また、樹が高すぎる度摘採作業に支障が出るため 刈落とす深さによって、浅刈り、深刈り、中切り、台切りとある 樹の仕立て方はまんじゅう型らはんえんがた、弧状型、水平型があり、摘採方法によって選ぶ c.f.自然仕立て……主に玉露や碾茶 被服の効果とお茶の種類 目的:遮光と保温 遮光→新芽が生長して硬葉になるのを遅らせ、摘採期間を長くする 保温→霜を防ぎ、摘採時期を早める 最大の目的は品質を高めること→葉のアミノ酸類、うま味に関するテアニンの現象が抑えられ、苦味・渋み成分のタンニン(カテキン類)が露天栽培より少ない、一方さっぱりとした苦味のカフェインは減少が抑えられる また、覆い香がつき(青海苔のような香り)、クロロフィルが増え葉の緑色が濃くなる 種類 「玉露」「碾茶」「かぶせ茶(摘採前7日程度被覆)」 新芽が1〜2枚開き始めた頃から、遮光率55〜60%で覆い、7〜10日後、遮光率95〜98%の強力な覆い、被覆始めて20日後くらいがちょうどいい摘採時期 覆いの材料は、伝統的なよしず、藁、こも、黒色の寒冷紗 肥料について 施肥 肥料の三大要素:窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K) その他:カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、イオウ、微量なもので鉄、マンガン、亜鉛 窒素→クロロフィルに含まれる元素、植物の生育に不可欠、テアニン、グルタミン酸などのアミノ酸を構成する成分、お茶のうま味を保つのに1番重要 リン酸→すべての生物の生命の源である核酸(DNAやRNA)に含まれ、遺伝やタンパク質合成に関わる成分、体内のエネルギー代謝にも欠かせず、生命活動の要の役割 カリウム→でんぷんやタンパク質の生合成に不可欠な糖類やアミノ酸が作られる触媒の役割、根が養分を吸収する時にも働く 肥料の種類 「有機質肥料」 菜種粕、大豆粕などの「植物質肥料」 魚粕や骨粉などの「動物室肥料」 >品質良し 「無機質肥料」 主に化学肥料のこと 窒素質肥料、リン酸質肥料、カリ質肥料などの肥料成分単体の「単肥」 これらの単肥の成分を複合した「化成肥料」 有機無機を配合したものを「配合肥料」 施肥の時期 1年に計7回ら春夏秋に分けて施肥 春肥・夏肥・秋肥 春肥→一番茶が萌芽する前に2回、新芽が出始める頃1回「芽出し肥」(即効性のある「硫安」など窒素質肥料) 夏肥→一番茶と二番茶を摘採した後に2回 秋肥→8月下旬から9月下旬にかけて2回 病気や害虫 病気→炭疽病、もち病、赤焼け病、輪斑病、新梢枯死症 害虫→日本では106種類、防除を必要とするのは十数種類 樹液を吸って加害する吸汁害虫…チャノキイロアザミウマ、チャノミドリヒメヨコバイ、カンザワハダニ 新芽や成葉を食べてしまう咀嚼害虫…チャノコカクモンハマキ、チャノホソガ、チャハマキ 幹や枝を枯れさせてしまうクワシロカイガラムシ 農薬使用は必要最低限 関連法規→農薬取締法、食品衛生法、髄質汚濁防止法 食品衛生法「一生、毎日食べても健康に影響がないと考えられる量」 有機栽培茶「3年以上、科学的に合成された農薬、肥料及び土壌改良資材を使用しない栽培方法で、しかも慣行栽培圃場から肥料の流入や農薬の飛散がない茶園で生産された生葉であること、また、製造や包装の工程で有機農産物でないものを混合しないこと」→「有機栽培茶」「有機茶」「オーガニック茶」 3年未満1年以上「転換期間中有機栽培茶」 茶園を襲う気象災害 寒害、凍霜害、干害、雪害、潮風害 チャにとって最も深刻なのは凍霜害 一番茶を摘採する直前に新芽を襲う低温障害 茶芽が-2℃以下になると発生し、新芽が枯死 「八十八夜の別れ霜」→八十八夜(5/1か5/2)が近づく4月下旬に摘採直前の一番茶が被害 防ぐ方法…被覆法、送風法、散水氷結法(昔は煙霧法、燃焼法)ぬ
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