
yayano
@yaya7
2026年3月25日
はくしむるち
豊永浩平
読み終わった
図書館本
タイトル「はくしむるち」がまったく覚えられないまま読み始めた。
90才前後のおじーを媒介にした物語だ。むるちとは、この小説内で「大蛇」として使用される。嵐のように圧倒的で、暴力装置そのものだ。紙漉きをしたばかりの白紙のようなまっさらな若者たちが、そのむるちに、いまも巻き込まれ続けている。
若かりしおじーが戦地としての沖縄で過ごしたころの暴力。現在に生きる主人公の大叔父として、いまの沖縄にこびりついた暴力を観測する視線。そして土地そのものに、暴力の記憶が染みついている。
おじーがまだ生きているうちの話であるという設定が、これを書かせたのだと思う。いまでなければ嘘になってしまう、虚構になってしまう。いま現在、起こり続けていることなのに。その怒りをたしかに受け取った。

