プールに降る雨 "何も共有していない者たちの共..." 2026年3月30日

何も共有していない者たちの共同体
何も共有していない者たちの共同体
アルフォンソ・リンギス,
堀田義太郎,
田崎英明,
野谷啓二
“私は、病院であれ貧民街であれ、孤独に死にゆく人を見捨てるような社会は、みずからその土台を根こそぎにしているのだと考えるようになった。私たちと何も共有するもののない──人種的なつながりも、言語も、宗教も、経済的な利害関係もない──人びとの死が、私たちと関係している。この確信が、今日、多くの人びとのなかに、ますます明らかなかたちで広がりつつあるのではないだろうか?”p.12 哲学的エッセイというジャンルを知った。この手の本があればもっと読みたい。 リンギスの個人的な体験を交えて、時に詩的につづられる哲学的考察。その文章はつかみかけたと思ったら指の隙間からすり抜けてしまうようで、理解しきれたとはとてもいえない。 言語を共有しコード化することで個人が交換可能な存在になる近代合理主義では捉えきれない、共有するものを持たない者どうしの、〈私〉でなければならないノイズに満ちたコミュニケーション。 インターネットにおいて顔の見えない相手との攻撃の応酬が日常となっている現在の状況に倦んでいる身としては、あらたなパースペクティブが示されるようだった。
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