
talia
@talia0v0
2026年3月25日

多様性との対話
岩渕功一
読み終わった
借りてきた
友人が読んでて気になって読んだ本です。良かった!オススメです。
「多様性」という言葉は思いのほか日本社会に普及し浸透したけれど、それは本当にマイノリティ当事者との連帯を意識したものなのか? そんな批判を「ダイバーシティ推進」「多文化共生」などのアイコニックなアプローチに提示したり、実際に編著者たちが取り組んでいる研究を題材に連帯の実践について考えたりする本です。特に弊社でも取り組んでいて、私もかなり肯定的に見ていた「ダイバーシティ推進」について、“「最初の追従者=アーリーアダプター」を対象としたマーケティングでしかなく、実際のマイノリティ当事者を対象としたものではない」という説明にはっとさせられた。
ただ正直、今の情勢から考えるとちょっと最先端の批判過ぎると思わなくもない。上のダイバーシティ推進もそうだし本書では「#トランス女性は女性です」についても批判的な(否定ではないアプローチを取ってるけれど、正直インターネットにはそれどころではないヘイターがうじゃうじゃいるのですが…という感想を抱く部分もある(2回書きますが書いてる側も決して否定はしていません)。
とはいえ普段から共生や他者との対話について考えてる人は新しい視点があって面白い本だと思います。
そしていろいろな批判があった上で一番最後のコラムを「批判にとどまらず具体的に実践すること(NPO法人グッド・エイジング・エールズ代表インタビュー)」で〆たのは著者なりの思いがあったのではと感じました。
最後に、ちょっと長いけどこの一冊をよく表現してると思った第八章の最初の段落の文章を抜粋します。
“「多様性」という言葉は矛盾に満ちている。一方では鷹揚で心地良い響きをもち、それがかえって、本来であれば受け入れ難いような差異を受け入れやすいものとしてカテゴリー化し、管理することに容易につながる。しかしその一方で、日本社会は長らく人々や文化の多様性に関して無頓着で、ここ数年で謳われるようになったこの言葉への認識は概して希薄だ。そうしたなかで「差異を意識することがすでに差別だ」という論調を耳にすることがあるが、それは一様だったはずの社会で、差異があることをことさら強調することに対する拒否反応である。そこには差異も差別もなかったことにしたいという意識がはたらいている。”

