
猿馬大咳
@sarubaaaaa
2026年3月25日
密室殺人ゲーム2.0
歌野晶午
個人的には、「王手飛車取り」よりも好き。
いやむしろ、「王手飛車取り」ありきの内容であったから面白いのか……。
この本は、「密室殺人ゲーム王手飛車取り」の続編であり、主人公五人が再び集い、密室殺人ゲームを繰り広げる内容になっている。
終わり方もさることながら、とにかく、前作の要素を取り込みながら、無理のある犯罪でも律儀に取り組んでいる。
物語を描くうえで必要なのは「客観」と「主張」だと思っているから、こういった厳密な議論を書ける人はすごいなあと思う。
「図書館の魔女」とか、「虚無への供物」とかもそれっぽいんだけど、これは全員が殺人鬼であるから、人殺しの観点から取り組んで、反論して、ゲームを盛り上げているのを見ると、作者が人を殺してきた帰り道に思いついたのではないか……と勘繰ってしまうほど練られている。
若造の感想なので、許して──僕はミステリをあまり読んでいないのだ。深く読み込めるほど、僕は読書家ではない。
これぞミステリー……しかし、長編のような要素を中編に収めて、それを一冊にまとめる。とても人の所業とは思えない。
「王手飛車取り」のラストに苦言を呈す声もあったけれど、この本のためにあのラストが用意されていたんではないか、と思えるほど、描き方が鮮やかで、潔い。
もし前作のみ読んだ方がいるのならば、ぜひ購読してほしい。ついでに言うと、前述の方ならば、この感想に「あれ?」と思ったのではなかろうか。
深夜の感想です。お手柔らかに。