
おしん
@Syndrome
2026年3月26日
タイタン
野崎まど
読み終わった
ネタバレ注意
@ 摩周湖
【一見「無」に見える瞬間も、それは大切な「仕事」の振動】
野崎まどさんの『タイタン』を読了。
AIが全ての仕事を代行する未来を舞台に、「働くとは何か」を深く掘り下げる物語。
読み終えて真っ先に考えたのは、自分の現場(対人援助)での日常のことでした。
■ 「点」が放つ、目に見えない振動
僕の仕事では、あえて直接的な働きかけをせず「関わらない」という選択をすることがあります。一見すると何もしていない、止まっている「点」のような時間。
でも、この本をきっかけに自分の中を整理してみると、それは決して「停止」ではないと気づきました。
そこには、自分という「点」が極めて小さく、しかし確実に振動し続けているエネルギーがある。その微かな震えが、目に見えない波(波動)となって、相手や周囲の関係者に伝わっていく……。そんな感覚です。
一発の強い打撃のような成果(点)だけが、仕事のすべてじゃない。その静かな振動が絶え間なく続くことで、やがてそれは一本の「線」になり、現場のリズムを作っていく。そう思えると、自分がこれまで歩んできた人生や仕事との向き合い方が、すとんと腑に落ちる気がしました。
■ 生きることと、働くことの土台
そしてもう一つ、読みながら考え続けたのは「生きる = 仕事(働くこと)」なのか?という問いです。
僕の今の感覚では、「生きる」という大きな土台の上に、仕事も、休暇も、趣味もすべてが乗っていると感じてます。それらは切り離された別物ではなく、すべてが混ざり合って「生きる」を形作っているのではないかと思います。
仕事の中にある「影響を与える」という要素は、生きがいや人生そのものと深く繋がっている、、、物語の結末を超えて、自分自身の「生きるリズム」を見つめ直すきっかけになりました。
■ 読み終えて
文章が非常にシンプルで分かりやすく、サクサクと読み進められる一冊。
日々の業務の中で「自分は今、何ができているんだろう」と立ち止まりそうになったとき、そっと背中を押してくれるような読書体験でした。
これから社会に出る人や、働く意味をあらためて考えたい人にもおすすめしたい作品です。
