
橋本吉央
@yoshichiha
2025年3月16日

読み終わった
経済的に厳しく、犯罪やドラッグが間近な環境から、家族の愛を糧にしてどうにか抜け出して成功していく話として、とても読み応えがあった。
厳しいACEがあっても、PCEによって支えられ、機会をつかみ、自分の人生を選べるようにしていくその過程はとても心に残る。ACEサバイバーが、福祉の手によって助けられる、みたいな単純美化ではなく、ACE環境の中で、問題のある家族でも、その家族からの確かな愛情と支えを糧にしていくことができたという、現実の複雑さと可能性を感じられる話。
アメリカという国や現在の副大統領J.D.ヴァンスを理解するための観点としては、アメリカという国の偉大さについては疑いを持っておらず、その背景には第二次世界大戦等での勝利、そこへの国民の貢献と連帯という観点があるように感じた。WWIIに限らず、戦争で買ってきたことが国民に愛国心をもたらしてきた、ということはあるように思う。それゆえ軍事大国であることを捨てない。
ヒルビリーを家族として愛しながらも、そのままではいけない、変えていかなければいけないと本書では丁寧にこれからを考えようとしている(具体的なことが書いてあるわけではないが)と思うのだが、一方で現在のトランプ政権は、ヒルビリーの価値観の中の、本書で問題としている部分に同調するような主張をしているわけで、それを副大統領として支持するというのはどういうスタンスなのかちょっとわからないな、と思う。手段としてそちらの方がヒルビリーの人たちのためになる、ということのか、どうなのか・・・


