ヒルビリー・エレジー~アメリカの繁栄から取り残された白人たち~ (光文社未来ライブラリー)

ヒルビリー・エレジー~アメリカの繁栄から取り残された白人たち~ (光文社未来ライブラリー)
ヒルビリー・エレジー~アメリカの繁栄から取り残された白人たち~ (光文社未来ライブラリー)
J・D・ヴァンス
光文社
2022年4月12日
47件の記録
  • あめ
    あめ
    @candy33
    2025年11月25日
    現アメリカ副大統領のJ.D.ヴァンス氏が10年くらい前に書いた本。
昨年、トランプ氏から副大統領候補に指名されたときに話題になったのを今さら手に取ったのは、「福音派」を読んで、やはりこちらも読むべきだろうという思いから。 前半は、J.D.ヴァンス氏の生い立ちを通して、アメリカのラスト(lastではなくlust)ベルトの最貧困層の生活が赤裸々に描かれている。この描写は日本では想像し難いのではと思えるほど凄まじい。ただ、アメリカに住んでいる身からすると、あり得ない話ではないと思える(のが悲しい)。 ただ、私にとって一番興味深かったのは、それら最貧困層のリアルな生活描写ではない。ヴァンス氏が、自らの出身であるそのコミュニティに親しみと敬意と愛情を抱きつつも、その問題点を俯瞰的な眼差しでしっかり指摘していることである。 ラストベルトの最貧困層のコミュニティの人々(ヒルビリーとヴァンス氏は呼んでいる)は、「自分たちのことは自分たちで始末をつける」という思想を持っている。だから銃を持ち、自らと自らの家族のことは全力で守る。他人を信用していないから我が家と親族以外に家のことは話さない。

問題はその思想だけが先走っていることだ。結局解決能力を持たない、または知らない彼らはたくさんの問題を抱え込み、さらに大きくしてしまい、現実は全く「自分たちのことは自分たちで始末」できていない。自らの行動が悪循環を招いていることにヒルビリーが全く気付けていない、ということをヴァンス氏はスパッと何度も指摘している。抜け出した人だからこその指摘だ。 とはいえ、実際にはこのコミュニティから抜け出せる人はほとんどいない。つまり、アメリカは分断していて、一方は他方のことを全く知らないとも言える(日本も同じかもしれない)。だから、このものがたりはとても貴重で、アッパーのエスタブリッシュメントと呼ばれる人たちが、ヒルビリーを理解するため読んでいるのだ。 もう一つ驚いたのは、後半、ヴァンス氏がイエールのロースクールに入学する際に、学費が全額免除となり心底驚いたという部分だ。アメリカの、特に私立の、さらにアイビーリーグなどは、学費が(日本の大学とは比較にならないほど)高額なことで有名だが、同時に、奨学金が充実しており、家庭の収入に応じて学費の免除がある。最貧困層であれば全額免除となるであろうことはよく知られた話であると思う。外国人の私でも知っている。 何十万ドル(日本円にすると何千万円)となるであろう学費を借金してでも払ってイエールに通おうとしていた彼は、全額免除となって入学したイエールの立派さや学習環境の充実っぷりを目の当たりにして、本当に学費を払わなくていいのかと信じられないでいる。そして、もし、自らのコミュニティの高校生が「アメリカの大学では収入に応じて奨学金がある」ということを知っていたとしたら、もう少し違った世界があるのではとヴァンス氏は思うのだ。 外国人の私が知っている情報を持たないアメリカ人がいるということにショックを受けた。
知っているということ、逆に言えば、知らないということの重さを痛感した。
 情報は生きる上で武器であり、鎧でもある。でもその情報は、お金を払って得るか、親から子へ、またはコミュニティの中でしか共有されない種類のものだ。分断している世界では、その分断をまたいで情報が共有されることはない。それが貧困を生む要因の一つになっているのではと、ヴァンス氏は大きな問題意識を持っているのだ。 このものがたりは、ヴァンス氏が副大統領になるだいぶ前で終わっている。彼がトランプ支持に至ったストーリーも知りたいが、『福音派』も合わせて読んだいまなら、反トランプから熱烈トランプ支持への鞍替えの背景も理解できるような気がする。
  • 440
    440
    @teshi440
    2025年8月3日
  • さく
    さく
    @hisaku818
    2025年6月15日
  • 大道幸之丞
    大道幸之丞
    @ohmichi
    2025年6月11日
  • ミモザ
    ミモザ
    @mimosa38
    2025年5月20日
  • 香灯
    香灯
    @kaho-book
    2025年5月10日
  • てるなつ
    てるなつ
    @terunatsu
    2025年5月6日
    教養と思って半ば義務感で読み始めたが、後半はバンスと友達になれるのではと思うほど、彼の思想に共感する自分がいた。 アメリカの貧しい白人たちの環境に圧倒されながら、中学時代の夏休み前に数学教師が教えてくれた知識を思い出した。 「川遊び中にもし滝壺に落ちたら、無理に水面に上がろうとしてはいけない。滝の水流でまた川底に引き込まれるからだ。抜け出したいのなら、一度川底に沈んで川下に向かわないといけない」 バンスが生まれ育った貧困や無知のサイクルから奇跡的に抜け出せたのは、周囲の大人の好意やいくつもの偶然に加えて、地域に続く貧困の構造に気づいたからであり、多くの人は抜け出せないままだ。 彼らだけの責任ではないのに、自己責任論だとリベラルに馬鹿にされていた中で、トランプが登場したのだ。 ✍️メモ ・アングロサクソンとは違う「スコッツアイリッシュ」民族としての自覚の強さ、白人の間での強い階級格差の存在 ・テレビがアパラチアの貧困を報じた時、地元民が強烈に批判し、事実を認めようとしなかった ・すぐカッと血が上り暴力を振るう人たちの様子が、ネトフリ「アドレセンス」の父親と重なる ・祖母が14歳で妊娠し地元を離れたことがヴァンス氏の人生に繋がった
  • CandidE
    CandidE
    @araxia
    2025年4月29日
    感動した。歴史に残る著作だと思った。おすすめ。 「ヒルビリーが親と連絡をとらなくなるのは、親を心配していないからではなく、この世界で生き残らなければならないからだ。親を愛する気持ちはつねにあり、愛する人が変わってくれるという希望を、いつも抱いている。あるいはむしろ、私たちは、知恵や法律によって自衛本能を発揮するよう求められているのかもしれない」
  • hanzochang
    hanzochang
    @hanzochang
    2025年4月5日
  • yoshi
    yoshi
    @yoshi
    2025年4月5日
  • Kohta
    Kohta
    @kohta125
    2025年3月27日
  • JOHN
    @R_John_2025
    2025年3月22日
    一度買って挫折。副大統領に当選して再びチャレンジしてるけど、話が壮絶すぎて頭が追いつかない
  • さんつみ
    さんつみ
    @santsumi
    2025年3月21日
    3/24・3/27了
  • タイラ
    タイラ
    @mega-man_book
    2025年3月18日
  • icue
    icue
    @icue
    2025年3月17日
  • 橋本吉央
    橋本吉央
    @yoshichiha
    2025年3月16日
    経済的に厳しく、犯罪やドラッグが間近な環境から、家族の愛を糧にしてどうにか抜け出して成功していく話として、とても読み応えがあった。 厳しいACEがあっても、PCEによって支えられ、機会をつかみ、自分の人生を選べるようにしていくその過程はとても心に残る。ACEサバイバーが、福祉の手によって助けられる、みたいな単純美化ではなく、ACE環境の中で、問題のある家族でも、その家族からの確かな愛情と支えを糧にしていくことができたという、現実の複雑さと可能性を感じられる話。 アメリカという国や現在の副大統領J.D.ヴァンスを理解するための観点としては、アメリカという国の偉大さについては疑いを持っておらず、その背景には第二次世界大戦等での勝利、そこへの国民の貢献と連帯という観点があるように感じた。WWIIに限らず、戦争で買ってきたことが国民に愛国心をもたらしてきた、ということはあるように思う。それゆえ軍事大国であることを捨てない。 ヒルビリーを家族として愛しながらも、そのままではいけない、変えていかなければいけないと本書では丁寧にこれからを考えようとしている(具体的なことが書いてあるわけではないが)と思うのだが、一方で現在のトランプ政権は、ヒルビリーの価値観の中の、本書で問題としている部分に同調するような主張をしているわけで、それを副大統領として支持するというのはどういうスタンスなのかちょっとわからないな、と思う。手段としてそちらの方がヒルビリーの人たちのためになる、ということのか、どうなのか・・・
  • MARIKO
    MARIKO
    @ange-oublieux
    2025年3月16日
    制度やシステムを整えるのは大切だけど、それ以前に根本的に尊厳が損なわれていたり、助け合える人間関係がないと、努力を継続すること、自分の未来にポジティブなイメージを持つこと自体に困難が生まれる、という悪循環に陥いる地元への複雑な眼差しに心が揺さぶられる。というかこんな文脈背負ってる政治家、強いに決まってる…
  • 橋本吉央
    橋本吉央
    @yoshichiha
    2025年3月15日
    今日も、👶抱っこしながらスマホのKindleで。
  • 橋本吉央
    橋本吉央
    @yoshichiha
    2025年3月14日
    久しぶりのKindle Scribeで読んでるのだけれど、お昼ご飯を食べながら読みやすくて良い…
    ヒルビリー・エレジー~アメリカの繁栄から取り残された白人たち~ (光文社未来ライブラリー)
  • せいこ
    せいこ
    @seiko_415
    2025年3月14日
  • 橋本吉央
    橋本吉央
    @yoshichiha
    2025年3月14日
    まだ途中。月並みだけど、アメリカの白人の中でも貧困の連鎖が続く地域、文化圏もあるのだなということを解像度高く感じる。
  • ivory79
    ivory79
    @ivory79
    2025年3月13日
  • ひつじやぎ
    ひつじやぎ
    @ysys345
    2025年3月13日
  • K_Nishida
    K_Nishida
    @k_nishida
    2025年3月13日
    英語のKindle版を買ったんだけど出てこないので 読み終わった。なぜか昔よくペイパーバックで読んだジョン・グリシャムの小説と近しいものを感じた。2人とも労働者階級の出だし、ロースクール出てるしな…
  • 橋本吉央
    橋本吉央
    @yoshichiha
    2025年3月13日
    久しぶりーーにKindle端末で読んでる。悪くない。
  • しー
    しー
    @shh
    2025年3月13日
  • 橋本吉央
    橋本吉央
    @yoshichiha
    2025年3月12日
    👶抱っこしながらスマホのKindleで。ほんとは紙で読みたい。
  • らっパル
    らっパル
    @rapparu
    2025年3月12日
  • icue
    icue
    @icue
    2025年3月12日
  • ネギ味噌
    ネギ味噌
    @ccchhh_2222
    2025年3月11日
  • Kindleで購入。そもそもアメリカの同時代人の自伝を読むのは、はじめてな気がしています。
  • いん子
    いん子
    @inko1908
    2025年3月11日
  • smiki
    smiki
    @smiki
    2025年3月11日
  • Atsushi Ito
    @ukajun
    2025年3月11日
    珍しくイベントに参加。透明書店、蔵前から帰宅途中、フラフラしながら何となくかつての職場へ。地下の人文書売り場、いいなぁー手入れしてるなぁー、まだヌシがいらっしゃるんやろうなぁーとか考えながら、フラフラ。そしたら蛍の光が流れてきて、なんか分からないけど咄嗟に手に取ったのが、随分先送りしてたらまたまた話題書となっているヒルビリー・エレジー。何やら薄暗くなった店内を早足で退散。
  • 橋本吉央
    橋本吉央
    @yoshichiha
    2025年3月10日
    気になってたのだけどTwitterで東浩紀さんが言及してるのを見てKindle版を買ってしまった。紙がよかったのだけど売り切れ状態のようだったのでやむを得ない。
  • tera44
    @tera44
    2025年3月10日
  • コタ
    コタ
    @hts
    2025年3月10日
    これを読んでヴァンスを見ると、私もヴァンスだったんだと思う
  • yoshi
    yoshi
    @yoshi
    2025年3月10日
  • こまり
    こまり
    @komary0_0
    2025年3月10日
    家人から借りた本。著者が現職の米国副大統領になった今だからこそ、彼の生い立ちを知ることで現在の発言や政治的立場を理解する助けになった。Netflixで映像化されたバージョンも見てみたくなった。
  • こまり
    こまり
    @komary0_0
    2025年3月9日
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