きらた "ラバー・ソウル" 2026年3月26日

きらた
きらた
@kirata
2026年3月26日
ラバー・ソウル
サスペンス寄りのミステリって感じでしょうか 36年間女性と無縁だった男が、偶然の重なりでモデルの絵里を助手席に乗せることになる ──それが全ての始まりだった 複数の視点からなる本作は、ストーカー男·鈴木誠が起こした事件を追いかける?形で進んで行く その容姿故に他人から、いや、家族からも疎まれ生きてきた鈴木誠 金にだけは恵まれていた為、学校にも行かず、趣味に没頭していく そんな風に世間から隔絶して生きていた彼だったが、音楽雑誌に送った投稿がきっかけで、ビートルズ批評家として社会との繋がりを得る その繋がりから彼が出会えた美しいモデルの絵里 幾つかの偶然を経て、彼女の存在に運命を感じた彼は── ストーカー男が詫びれもせず自説を語る内容が多くを占めるため、読んでいて精神がゴリゴリに削られていきますが、《井上夢人の作品だから!》との信頼感だけを頼りに読み進める 周囲が語る“鈴木誠”像と彼自身の言葉がひとつの方向に固まり嫌悪感が増していく が、しかし、終わりに近付くに従いジワリと違和感が顔を覗かせる ──そして 最後まで読み、騙しの鮮やかさ、反転する印象に吐息が漏れた ホント、井上夢人は凄い作品を書くなぁ
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