ろくがつのいきもの "流浪の月" 2026年3月25日

流浪の月
流浪の月
凪良ゆう
一気に読んだ(5時間程度で読了) 自分の意思や価値観が理解されない理不尽さ、生々しい感情。 幼少期に感じていた理不尽さと重なり、乱された。 善意の押し付け(とあえて書かせてもらう)のシーンで、更紗は受け取れない自分にも非があるような事を言っていた。 自分は恵まれている環境にあるが、ふと何もかも捨ててしまいたくなり、自己嫌悪に陥る時がある。 例えるなら、飲みたくない水を飲まされている感じ。 先回りして気遣ってくれる人がいて、ああそうか自分は水が飲みたかったのかもしれないと、流されてみるのも良いかと、水を口に含むけれど、やっぱり喉は閉ざされたままで、飲みたくなかった自分に気付く。 ロンダリングが上手くいっていない、デトックス失敗、循環が悪い。 彼らは悪くない、善意で、理解しようとしてくれている。 (そうではない、ただ一時の興味本位だけの場合もあるが) だから、それを受け取れない、飲み込めない自分の責。 でも飲みたくない時は、無理に飲まなくても許される環境は、あると思う。 この本を読んで、さらにそう思った(許されてほしいし、許しなんて必要ない環境があれば希望だと思った) こんなに理解されないもどかしさや苛立ちを言語化できる著者に感嘆。 文と更紗の距離感が好き。 よくある男女の友情は有無かという問いや、得体の知れないものを理解するために形を作りたがるけれど、彼らには答えは要らないように見える。 この関係に名前がなくても、繋がっている。 当人たちが納得していれば、もう何も言うまい。 それが世間との乖離で、共依存だったとしても。 誰もが尊重される社会であってほしい。 それが許される範囲とは、それぞれの尺度があるから、難しい。 けれど考え続けたい。
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