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@ann-zzz
2026年3月26日

春にして君を離れ (クリスティー文庫)
アガサ・クリスティー,
中村妙子
読み終わった
こわかった。恐ろしいと思いながら読んだ。
主人公ジョーンが自分ではないとどうして言えるかということに始まり、夫ロドニーへの愛情は本物であったとしてもその上に築いた人生は虚であるということが恐ろしい。
虚であることを誰もが認めていて、最後にはジョーンまでも真実を知ったうえで受け入れる。
結局人は自分の見たいようにしか世界を捉えられないとしても、これはそういうこととは違って「見たいものを選ぶ」「自分だけの真実を選ぶ」ということだし、そこに他者との共有はない。
ある点では誰もがジェーンのようなところがある気もするけど程度の問題だろうか。
愛している、が真実だとしてその愛する他者しかも家族と現実を共有できないほうが辛い、個人的には。
ロドニーは優しいんだろうか?
優しさというよりは諦め、怠惰、気の弱さなのかな。
