和月 "叫び" 2026年3月27日

和月
和月
@wanotsuki
2026年3月27日
叫び
叫び
畠山丑雄
大阪万博に行った日が数日違いだったことも影響して、どこかですれ違っていたんじゃないかと錯覚するくらい作品の設定が近い距離にあった。 入り込みやすくてスルスルと読めた。 銅鐸ってその筋の職人さん以外で作れることあるの!?という驚きが最初の感想。銅鐸の音を動画で聴いてみると少し耳に刺さるような鋭さと余韻があって、趣がある。 銅鐸の音を辿って先生と出会い、銅鐸づくりと共にその地域の歴史を学んで、新しい人と関わりを持っていく様子は展開だけなら良い話。だけど、早野の言動から漂ってくる危うさが、徐々に物語を不穏に進めていく。 この物語が読者に伝えたかったことを考えてみる。読みやすさとは裏腹にかなり難解だけど、117頁の先生の言葉はその後の早野の行動にリンクする気がして、作品全体の意図が含まれているように思えた。道ならぬ恋のように川又青年を追いかけた早野が、絶望の底で彼の叫びと共鳴した結果がこの結末なのかもしれない。 読み終えた後、銅鐸が鳴る音が耳に残るように、どうしてこうなってしまったのか反芻してしまう一作だった。
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