
ところてん
@tokoroten
2025年3月16日

読み終わった
感想
紹介
この本を読んで学べたことは、全体主義を引き起こす原因として、個人を考えさせない状態にして、分かりやすくて刺激的な"世界観"を提供し、虚構の敵をつくりだすことによって、ホロコーストなどが成立するということ。これを避けるためには、公共的な議論ができる場が必要で、そこでは多様な人が意見を言い合い議論し、自分の頭で考えることが必要だという。この中にある意見の多様性みたいなものを複数性といって、ナチスの罪はユダヤ人の絶滅によってその複数性を抹消しようとしたこと。
このことは今の日本にも当てはまりそうで怖い。今の日本でも徐々にクルド人問題や移民問題で偏った意見がネットで散見されるようになってきて、アーレントが言っていた"虚構"の敵をつくりだしている状態になってきている。この状態が長く続けば、日本でも全体主義というのが出てきてしまうのかもしれない。そう言う意味でもこの本は今の時代こそ読む価値があるのだと思う。


