マオ
@pb-mao
2026年3月27日
君の六月は凍る
王谷晶
読み終わった
同著者の『ババヤガの夜』『父の回数』が良かったので手に取った一冊。
冒頭の静謐な語り口から惹かれるままに、一気に読んでしまうのが惜しくて、少しづつ味わうよう読んだ表題作。
路地裏の足元を覗き込むより昏く、覚えはあるのに、どこか他人事で、それなのに、知っているとさえ思える、貧しさのなかにある癒しに支えられた生活。
ヒリつくような抑圧の不穏な足音に怯えながら、ままならない日々を自分なりに愉しみを見出して生きている人が、いつこの、ぶつん、と鳴る空白の報せに呑まれてしまうのかと、最後まで目が離せなかった併録作。
前情報なしのまま信じて読んで、裏切らない読後の満足感。
今年いちばん推したい作家さん。





