
和月
@wanotsuki
2026年3月28日
小説
野崎まど
読み終わった
2回読んで更に美味しい!みたいな作品だと思う。1回目は怒涛のように押し寄せてくる言葉の意味を咀嚼して、2回目は真相を知った上で味わう。噛めば噛むほど味がしてくる部類の本だし、作中に出てくる作品を読めばもっと楽しめる気がする。
大してあらすじとか調べず、様々な人がオススメに挙げていて手に取ったので、まさかこれが【ジャンル:SF】とは思わなかった。読書好き小学生2人が小説家のお屋敷に忍び込んで……の流れでくるのってハートフル青春ものだけじゃないんですね。ほんとにびっくり。
本を読む人って「じゃあ文章書くのも上手いよね!」「小説書かないの?」と聞かれがちで、中には文才のある人や書評が得意な人もいるけど、全員がそうとは限らない。文章を書くことに憧れはするけど、色々な本を読んでいるからこそ、自身の文章力も嫌という程分かっていたりする。
主人公の内海集司はそれを正に体現していて、とても感情移入させられた。彼レベルで多読では無いけど、読書が好きでも人並みの文章しか書けない感覚はとても分かる。
そんな内海が本を読み続ける中で抱く疑問。この物語はその答えを探す旅なのだと気付かされる展開。結末に行き着いた時、この小説そのものがこれからの読書人生のお守りのような存在になっている。
私が予想していたよりもずっと壮大なお話で、時折ページを遡り読み返しながら言葉を浸透させる必要のある箇所もあり、文章の読みやすさと理解の難しさがいったりきたりする作品だった。けれど、その難解な面白さこそフィクションの魅力だと思う。
『小説』に出会えてよかった。心底そう思わせてくれる本です。



